写真を撮影するときに、もっと天気がよかったら映えるのにと思ったことはないだろうか。
普通に考えればどうすることもできないだろうが、今、撮影した写真の「空」を簡単な操作で後から変えられるサービスが登場し、注目を集めている。
画像素材サイトなどを運営するACワークスが、写真の「空」をAIで置き換えるサービス「空AC」を1月13日に無料公開したのだ。
これまでも画像編集アプリを使えば写真の空などを置き換えることはできたが、手動で変換部分を指定するなど、手間や専門的な知識が必要とされていた。「空AC」では、好きな写真をアップロードして用意された「空」を選ぶだけで、AIが自動で「空」の部分を検出して置き換えてくれるという。
操作は好きな「空」を選ぶだけ
では、どれだけ簡単に「空」を変えられるのか、画像編集の専門知識が全くない筆者が試してみた。まずアップロードしたのは観光名所として有名なレインボーブリッジの写真なのだが、かなり残念な曇り空となっている。
続いて画面の指示に従って置き換えたい「空」の画像をクリックし、「空を置き換え」ボタンを押す。すると曇天の空が鮮やかな青空に一変した。
なお現在のところ、選択できる空の画像は「夜空」や「夕焼け」「虹」など約80種類ある。
変換した画像はダウンロードすることができ、さらに編集を加えたり、Web・映像・ゲーム・広告などの構成要素の一部としてであれば、商用利用も可能だという。
ただし利用できるのは未登録だと1日2回、無料会員登録をすると1日5回。それ以上使いたい場合は1カ月1157円のプレミアム会員か、法人向けプランに登録する必要がある。ちなみに画像データは24時間で完全に消去するのでセキュリティも安心だとしている。
「天気が悪い記念写真を青空にしたい」など使ってみたいシーンは多そうだが、上手に空を入れ替えるコツはあるのだろうか?また、そもそもなぜ空の入れ替えサービスを思いついたのか?
ACワークスの担当者に聞いてみた。
「曇ってもったいない写真」が開発動機
――「空AC」開発のきっかけは?
当社は、写真の投稿ができる写真ACというサイトを運営しています。そのサイト内でよく目にするのが、写真は上手く撮れているのに、空が曇っていて、勿体ないなぁと感じる写真です。
写真が上手く撮れる人でも、天気だけは変えることができません。そのような問題の解決になればと「空AC」の開発が始まりました。
――苦労したところは?
空が写っている写真はたくさんありますが、どの写真も空と空以外の境界部分が一律ではありません。開発で最も難しかったのは、どこからどこまでが空なのかを正確に判断しなければいけなかった点です。
――リリース後の反響は?
ニュースサイトや新聞社からの取材もあり、多くの方から高い関心を持って頂いております。
――うまく空を入れ替るコツはある?
うまく入れ替えられる写真は、広くて明るい空の写真です。逆に上手くいかない写真は、暗い空です。
いろいろ試してみると、担当者が話す通り、空が暗い夜景などはあまりうまくいかないことがあったが、思い出の一場面が鮮やかな青空に変わるのは見ていて楽しいものだった。
もし、悪天候の写真が画像フォルダにあるのであれば、きれいな空への変換を一度試してみてもいいかもしれない。
【関連記事】
「クズ」→「人類の宝物」送られてくる誹謗中傷をポジティブに変換する機能を開発中…仕組みを聞いた
新・写真クラウド「フォトバンク」は先行サービスと何が違うのか? 富士フイルムに聞いてみた