各地で記録的な積雪となった日本海側の大雪。
ようやく収まってきましたが、「大雪が収まった後」だからこそ、気を付けないといけない事が。天達気象予報士が解説します。

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大雪から数日…新たな危険が

記録的な大雪となった新潟・津南町では、屋根の上に積もった雪を降ろす人の姿が。
雪がだんだんと固まってきて、雪下ろしも一苦労となっていますが、屋根の上に積もった雪を放置しておけないのには理由があります。屋根の上からの落雪の危険性を検証した動画があります。

雪の塊33㎏を、高さ5mから車の上に落とした場合、どれ程の衝撃になるのでしょうか。

雪の塊が直撃した車の屋根は、衝撃で大きく凹んでしまいました。

さらに、この雪がフロントガラスに当たると、雪がぶつかった衝撃で放射線状に割れてしまいました。

重さは象2頭分!? “しまり雪”落雪脅威

雪のブロックでも、かなりの衝撃となることがわかりましたが、屋根に積もった雪の重さはいったいどの位になるのでしょうか?

例えば、5m四方の屋根に1mの雪が積もったとします。

積もり始めは新雪で軽いのですが、日に日に降り積もる雪の重みで全体がしまっていき、「しまり雪」と呼ばれる状態になります。

この状態で屋根の上に積もった雪の重さは、なんと約12tにもなるのです。

これはゾウ2頭分の重さに匹敵するほどの重さ。これだけの雪が屋根の上に積もっていますから、上方からの落雪には注意が必要なのです。

気温の変化で“デコボコ路面”に注意

街中の危険は、上からだけではありません。
足下にも十分注意が必要です。

雪が降り積もった後、気温が上がっています。

そのため雨が降ったり、日差しが出たりすることで、足元に積もった雪が不安定になっていきます。

これだけで終われば危険性は高くはないのですが、夜になって冷え込んだ後の注意が必要です。

不安定なままデコボコ状態で地面が凍り付いてしまうのです。そうすると、非常に滑りやすくなり、スリップ事故や転倒事故が起きやすくなってしまうのです。

山沿いは雪崩にも…3つの前兆現象

街中では屋根からの落雪や足元に注意が必要ですが、山沿いではまた別の危険があります。
「雪崩」です。
雪崩には前兆現象があります。3つのサインを覚えておきましょう。

まず「クラック」と呼ばれる、雪の隙間が出来ている状態です。すでに雪が動き始めている証拠なので近づかないことが大切です。
次に「スノーボール」です。雪玉のようなものができている状態をさしますが、山の上の方がすでに崩れている証拠です。
また、「雪のしわ」にも注意が必要です。

大雪から数日たった後だからこそ、なだれや屋根からの落雪には十分にご注意ください。

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(とくダネ!『あまダネ!』12月22日放送)

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