福井県で、県の管理体制が問われる2つの不適切な事案が明らかになった。1つは、車検と自賠責保険が切れた公用車で職員が自損事故を起こしたもの。もう1つは、県が運営する就職支援サイトで登録者368人分の個人情報が一時閲覧できる状態になっていたもの。前者はリース業者と県の主張が食い違い、後者は委託業者の設定誤りが原因と県が主張している。
車検切れ…業者「お知らせを通知した」県「受け取った事実は確認されていない」
県によると、10月9日、県循環社会推進課の職員が大野市内の農道を公用車で運転中、道路に設置されていた鉄製の棒に衝突する自損事故を起こした。本人にけがはなかった。
通報を受けて現場に来た警察官が、車検と自賠責保険の有効期間が切れていたことに気付いたという。

この事案を受け、県はすべての公用車約980台を調査した。その結果、別の1台も車検切れの状態で公務に使われていたことが分かった。
これらの公用車はいずれもリース車両で、車検はリース業者が実施する取り決めだった。業者側は「県に車検のお知らせを通知した」と主張している。一方、県側は「受け取った事実は確認されていない」としており、双方の言い分は食い違っている。
現時点で、運転していた職員や県への行政処分、刑事罰は科されていない。
履歴書や職務経歴書が“丸見え”状態
もう一つの不適切事案は、県が運営するUIターン者向けの就職支援サイト「291JOBS」で起きた情報漏えい。登録者がアップロードした職務経歴書や履歴書に記載された、氏名、住所、電話番号、生年月日、顔写真などが、一時的に閲覧できる状態になっていた。
県は、サイトの保守を委託している「株式会社システム研究所」の設定誤りが原因だとしている。
10月29日、過去にサイトへ登録していた人から「自身の職務経歴書がインターネット検索で閲覧できる」とのメールが県に届いた。県はすぐにサイトの公開を停止し、個人情報データに外部からアクセスできないよう対応した。あわせて閲覧ログの解析を進めた。

解析の結果、閲覧可能だったのは864ファイル、368人分に上ることが分かった。このうち実際にクリックされたのは14ファイル、10人分だった。
県は、閲覧可能だったすべてのファイルを非公開にした。すでに退会した登録者のデータも削除している。今後は保守業者を通じて、対象者全員に文書で謝罪するという。

県は「今回の事案を重く受け止め、保守業者に対する指導と必要な点検を実施し、再発防止を徹底する」としている。

