090から始まる見知らぬ番号から着信が―出てみると、警視庁捜査二課を名乗る男から「最悪の場合、逮捕・起訴されてもおかしくない」と脅される…こうした“ニセ警察詐欺”による被害が福井県内でも相次いでいる。
福井テレビでは、警察官をかたる特殊詐欺班とみられる人物の音声を入手した。電話を受けたのは、仕事の関係でたまたま福井県警を訪れていた男性で、詐欺だと気付きすぐに録音。途中で本物の警察官が電話口に出ると、慌てて電話を切った。実際の音声から、その手口を探る。
090で始まる見知らぬ番号…出ると「警視庁捜査二課です」
10月上旬、県外に住むAさんは仕事の関係で福井県警を訪れていた。そのとき、スマートフォンに090で始まる見知らぬ番号からの着信が。
電話に出ると、警視庁の捜査二課だと名乗る男が話し始めた。Aさんはすぐに詐欺の電話だと気づき、近くにいた警察官に合図をしてやり取りを録音した。
警察官をかたる男は、約400万円相当のキャッシュカードを福岡県警本部の捜査二課が押収したと説明。捜査員が最も多い警視庁に捜査の依頼が来て、Aさんに連絡しているのだという。
さらに男は「Aさんがお持ちのキャッシュカードが不正利用されているかどうかは、正直分からない」と述べたうえで、このまま捜査が進めば「最悪の場合ですね、逮捕・起訴されてもおかしくないことは十分あり得るお話になっております」と不安をあおった。
男はAさんに「捜査のため福岡に直接行くように」と要求。Aさんが「福岡へ向かうのは難しい」と答えると、男は身の潔白を証明したい気持ちがあるなら、福岡県警本部に電話での対応を頼んでみる、と持ちかけた。Aさんが了承すると、電話は別の男に代わった。
「捜査二課のヨコタさん?そんな人いないけど」警察官が応酬
代わって電話に出たのは、「福岡県警捜査二課のヨコタ」と名乗る男だった。男は改めて福岡に来るよう男性に求めると「今回、20日間勾留をさせていただいて、取り調べを受けさせていただく」と切り出した。
Aさんが「逮捕ではなく任意か」と尋ねると、男は「強制力はない」と答えた。Aさんは続けて、20日間の勾留が決まっているなら何らかの証拠を持っているはずだと切り返す。
すると男は「何かしらの証拠はこちらで押さえている」としながらも、「あのー、100%じゃない、というわけですよね。 で、あなたが逃亡の恐れがあるかないか、まあ…」しどろもどろに。
話に進展がないと判断した福井県警の警察官が、電話口で「もしもし?もう1回、どこの警察の人か言ってもらっていいですか。 福岡県警?」と問い詰めた。
男は「福岡県警です」と答え、名前を問われると「捜査二課のヨコタケンスケ」と名乗った。警察官は「そんな人いないけど、福岡県警には」と切り返すと、男は、福岡県警に電話をかけて確認するよう求めた。警察官が「なんで俺が確認せなあかんの」と返すと、男は電話を切った。
今回、福井県警は、詐欺の手口を広く知ってもらおうと、音声を提供した。
担当者は「警察が電話で犯罪の疑いを口にすることは絶対にない」と強調。警察を名乗る者から電話がかかってきて犯罪の嫌疑をかけられた場合は、すぐに電話を切るよう注意喚起している。

