アメリカ中間選挙での惨敗を受け、トランプ政権内では早くも「戦犯捜し」が始まっています。
さらに、2年後の大統領選挙を見据えてトランプ大統領と距離を置き始めた側近もいます。
「戦犯」として名前が挙がっているのがピート・ヘグセス国防長官です。
CBSニュースはトランプ大統領が側近らに対し、ヘグセス長官を続投させるべきか意見を求めていると報じました。
トランプ氏自身は4日、記者団に「ヘグセス長官の交代を検討しているか」と問われ、「いや(検討していない)。彼は非常によい仕事をしている」と述べ、交代説を否定しています。
実は、共和党が中間選挙で大敗したあとに国防長官が退任に追い込まれた前例があります。
2006年の中間選挙で、当時の共和党のジョージ・W・ブッシュ政権は上下両院の多数派を失う歴史的敗北を喫しました。
その時の最大の争点となったのは泥沼化していたイラク戦争です。
選挙翌日、ブッシュ大統領(当時)は責任を問われていたラムズフェルド国防長官の辞任を発表しています。
戦争をめぐる国民の不満が中間選挙で噴き出し、国防長官が退場する。
20年前のブッシュ政権と、今のトランプ政権を重ね合わせる見方も出ています。
今回の敗因は「イランとの戦争」だと断言している人がもう一人います。
バンス副大統領です。
バンス副大統領は4日、SNSに長文を投稿し、「われわれが負けた理由は戦争だ」と断言しました。
さらに、“知人の意見”として共和党から離れた有権者が求めていたのは、「戦争の終結」「物価高対策」「アメリカ・ファースト」、そして「イスラエルとの関係見直し」だったと分析しました。
実際、イランとの戦闘には巨額の費用がかかっただけでなく、ホルムズ海峡の事実上の封鎖は燃料の高騰による物価高をもたらし、世論調査でも支持率は低迷の一途をたどりました。
「歴史的惨敗」を受け、トランプ大統領との距離を置き始めたとみられているのが最側近のバンス副大統領です。
元々イラン攻撃に懐疑的な立場だったバンス副大統領が、敗北直後に戦争批判を展開したことで、早くも「ポスト・トランプ」を見据えた動きとの見方も出ています。
FOXニュースはこの投稿について、トランプ大統領の外交政策に不満を持つ支持者を自分に引き寄せるためのメッセージだと分析しています。
ただ、バンス副大統領の地元オハイオ州の上院選でも共和党候補が敗北したことから、「2028年の大統領選レースは難しくなった」との指摘も出ています。
中間選挙の敗北はトランプ政権の運営そのものの見直しを意味するだけではなく、共和党内の権力争いの始まりでもあります。
