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新たな防災拠点として注目される「道の駅」 非常用トイレにヘリポートも整備 “一石三鳥”の効果も
常識が通用しない…いま備える防災

新たな防災拠点として注目される「道の駅」 非常用トイレにヘリポートも整備 “一石三鳥”の効果も

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安心・安全を守る「防災拠点」だが課題も

いつ訪れるか分からない災害の際に欠かせないのが、私たちの安心・安全を守る「防災拠点」。
例えば、「多くの人が避難できる庁舎や学校の体育館など身近な公共施設」、「地震の被害を減らすため免震構造を採用した施設」、「停電を回避するために非常用発電設備を備えた施設」などが挙げられる。

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こうした防災拠点は、避難者を受け入れるだけでなく、十分な食料や毛布などを備蓄しておくことや、役場が被災した際には、予備の災害対策本部の拠点となることなどの役割も求められている。
ただ、防災拠点の中には、課題を抱えている場所もある。

東京大学客員教授・防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」の松尾一郎さん:
防災拠点ですから、災害の時に使えないといけないんですよね。地震の時も耐えられる施設なのかということと、河川が氾濫しても浸水しない場所・機能を持っているかという精緻な確認が必要だと思うんです。今あるもの、既存の建物を使うとなると、施設の使い勝手も課題になりますから。新たにつくるとなると、多機能に使っていくことになりますし、今は新型コロナの状況の中で、どう拠点を活用していくか。さまざまな課題があると思います

「道の駅」を防災拠点に 機能を強化

そうした中、今、新たな施設が「防災拠点」として注目されている。

福島・国見町の職員に特別に組み立ててもらい、約30分で完成したのが、「非常用のトイレ」。

福島テレビ・安齋遥介記者:
設置する前は、下水と直結するような作りとなっています。そして完成したトイレを見てみますと、中には椅子が用意されています

便器1つ1つが、下水道に直接つながっているため、断水時にも使用することができる。

このトイレが整備されているのが、道の駅 国見「あつかしの郷」。

国見町環境防災課・中野敬一課長補佐:
町では、国見町防災計画に、道の駅を防災拠点・避難所として位置付けしています

地元の農産物などを発信する「道の駅」を「防災拠点」に位置付けた背景にあったのが、6年前の災害だった。
福島市で観測史上歴代4位の54cmの積雪を記録した2014年2月。国見町の幹線道路でも多くの車が立ち往生し、多くの人が車内に取り残される事態となった。

その教訓から、町は、当時建設を計画していた「道の駅」の防災機能を強化。非常用トイレ以外にも、施設内には、一時的に休憩できる避難所も整備した。

国見町環境防災課・中野敬一課長補佐:
普段は、会議や会食で利用している部屋になりますが、国道4号線の通行止めなどの災害時には、休憩するための避難所として開放することも可能となります。“道の駅があるから何とかなる”と安心していただくためにも、国見町では、「防災拠点機能を持つ道の駅」が必要と考えております

噴火時に役場を補完する道の駅も

福島県内だけで34駅に上る「道の駅」。防災機能が備わった駅は他にもある。

福島テレビ・日影多加志記者:
たくさんの観光客が訪れている「道の駅 猪苗代」ですが、この敷地の中に広大なスペースがあります。実はこれ、ヘリポートなんです

2016年にオープンした福島・猪苗代町の「道の駅 猪苗代」。整備されているのは、約4,000平方メートルのヘリポート。まだ訓練以外では使われていないが、災害や救急救助など、さまざまな事態に対応できるのが特徴。
また、地域特有の災害の1つ、磐梯山が噴火した際には、山麓に位置する町役場を補完する役割も担う。

近くの住民:
ホッとしていますね。近くて良いねと思ってね。ここは磐梯山が噴火した時くらいかな、逃げていくのはと思っていたから

災害用の倉庫には、毛布や食料などが備蓄されていて、約200人が2~3日滞在できる。

猪苗代町・鈴木善弘総務課長:
これからは、どういう災害が来るかわかりませんので、「あらゆる災害に備えて」ということが大前提になっております

「防災道の駅」を選ぶ新たな認定制度創設へ

全国にある1,200の「道の駅」のうち、約半数にあたる500カ所の道の駅が防災機能を持っているということで、全国的にも防災意識の高まりがうかがえる。
北海道の道の駅の整備に携わった経験がある「防災マイスター」松尾一郎さんは、その背景について…

東京大学客員教授・防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」の松尾一郎さん:
北海道は、2000年に有珠山が噴火したんですね。その麓にある壮瞥町は、噴火のあとに道の駅を整備しようと。この噴火の時は、役場含めて約2,000人が避難した。最初は地震性火山活動が始まりましたので、どこで噴火するのか分からない。だから、役場も全員避難したんです。役場の防災機能が一時的に停止したんです。なので、道の駅をつくる時には、きちんと役場の予備的な機能を持たせるということも考えた

東京大学客員教授・防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」の松尾一郎さん:
さらに防災機能として、消防本部を道の駅の中に合築したんですよ。平時は、物産販売や観光の広報拠点。もう1つ重要なことは、火山の防災教育ができる拠点にしたんですよ。複合施設として整備する事例は増えているんですね。同様な防災機能を持った道の駅は、このあたりから増えたと思います

国は今後、防災拠点として機能する「防災道の駅」を選ぶという新たな認定制度を創設して、「道の駅」の防災力向上を支援していく方針。

ーーこうした全国的な動きは歓迎している?

東京大学客員教授・防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」の松尾一郎さん:
もちろんそうですね。日本というのは、災害が多発している状況じゃないですか。水害もそう。地震もこれから起こるでしょう。火山も、特に福島県含めいくつかの火山があるわけですから。道の駅は、地域の物流や生活基盤をつなぐ道路に接している。そこに多機能な防災拠点を整備するというのは、地域の防災力を高めるんですよ。ましてや、コロナ禍で避難場所が少なくなっている。自治体にとって道の駅を避難場所にするのは、ありがたい話だと思うんですね。一石二鳥、三鳥くらいの効果はあると思っています

(福島テレビ)

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