地域に寄り添ったサービス
無印良品の関東最大級となる店舗「無印良品 東京有明」が12月3日のオープンに先駆け、30日、報道陣に公開された。

テニスコート約18面分に匹敵する店内には、無印のほぼ全ての商品がラインアップされている。
新戦略は、地域に寄り添った商品とサービス。

カレーや冷凍食品などが並ぶ食品の売り場面積は国内最大級。
パンや野菜、果物なども並び、おすすめのレシピを、キッチンを使って紹介するサービスを始める予定だという。

また、コーヒー豆や洗剤など、約90種類もの商品が量り売りされる。

量り売りは食品以外にも。

マフラーは、巻き方やスタイルに合わせて自分の好きな長さで購入できる。
キッチンの様子は一軒家で体験
また、広い店内には一軒家が。

お店の中に一軒家が丸ごと入っているので、自分が購入したい商品をどういうふうに使うのか参考にしながら見ることができる。

全世界で1,040店舗を展開する無印良品。
こちらの店舗では地域に寄り添ったサービスも提供される。
古着回収、収納相談も
周辺に建てられた新築マンションがシックな内装となっていることから、それに合わせて、テーブルやいす、小物などこれまでになかった黒の家具や小物を限定で展開している。

また、店舗のある江東区と組んで、古着の回収を行うほか、収納相談などお片付けサポートを地域限定で行い、周辺住民の集客を目指す。

無印良品 東京有明・松橋衆店長:
それぞれの生活者の暮らしの中に入り込んで、本当に困っていることを引き出して、収納・片付けをメインにサービスをしていく。
モノを捨てない・必要な人に提供していく。少し直して命を吹き込むことで、環境活動にも積極的にやっていきたい。

自社開発商品だけの“百貨店”は唯一無二
三田友梨佳キャスター:
マーケティングアナリストの渡辺広明さん聞きます。
無印良品の今回の出店はどんな狙いがあるのでしょうか?
マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
今、百貨店や総合スーパーは大変苦戦しています。
今回の無印は百貨店のようだが、自社開発商品だけで総合的に品揃えをするという日本で唯一の店舗になっています。
これは高齢者や働く人が増えて、一カ所でワンストップショッピング需要が増えているので、百貨店や総合スーパーの新しい形を模索したスタイルになっていると考えます。

三田キャスター:
新たな形として、無印で一番の売りとなるのは何でしょうか?
渡辺氏:
無印は省資源、低価格、自然志向など、ブランド力が何よりも売りなんです。
このコンセプトに基づいた品揃え、商品開発が、例えばユニクロやニトリのようなカテゴリーキラーと戦う武器となっています。
無印は「衣食住」が日本のスタイルになっていて、その中で「食」が弱いと言われていますが、レトルトカレーは20年前から販売していて、今では40種類以上展開する人気商品になっています。
このところ巣ごもり消費で「食」が上がっていて、無印の10月の「食」の売上げは、前年比で154.9%と大変伸びています。
三田キャスター:
私も無印に行くとついお菓子などに手が伸びますが、「食」は大きな強みかもしれませんね。
渡辺氏:
お菓子美味しいですよね。
今回の有明の店は食品の量り売りだったり、有明地区に住んでいるライト富裕層、地域にあわせた都市型の店作りをしています。
今まで無印は店舗によって違いの無いスタイルをとっていましたが、これからはその街に住む消費者にあわせた品揃えをしていく必要性があると考えます。
三田キャスター:
小売業はコロナ前の常識は捨てて、今ある需要を的確に見定めて柔軟に形を変えていくシフトチェンジも求められているのかもしれません。
(「Live News α」11月30日放送分)