熊本地震で一部区間の不通が続いていた九州新幹線が、9月18日についに全線で運行を再開した。「すごくうれしいです。待っていました」――鹿児島中央駅の始発ホームには、旅行客や出張者の安堵と喜びの声があふれた。シルバーウィーク前日という絶好のタイミングでの復旧に、地域の飲食店やタクシー運転手など、街全体が息を吹き返した様子を見せた。
52日間の不通、ついに終わる
熊本地震の影響で不通となっていた熊本〜新水俣間が復旧したことに伴い、九州新幹線は9月18日をもって全線での運行を再開した。不通期間は実に52日間に及んだ。
鹿児島中央駅では始発から多くの利用者が行き交い、現場は活気に満ちた。下関へ向かうという利用者は「すごくうれしいです。待っていました」と笑顔を見せた。佐賀へ向かうという人は「すぐ来られるか来られないかが全然違う」と、つながりの大切さを実感した様子だった。
午前6時、博多行きの第一便が鹿児島中央駅を出発、ホームでは横断幕を持って手を振る職員の姿があった。

夏休みを我慢した人たちも、いざ京都へ
再開初日の乗客の中には、長い不通期間に旅行を諦めていた人の姿もあった。京都へ旅行に向かうという利用者は「夏休みにどこにも行けなかったので、たまたま再開の始発だった」と話し、「清水寺に行くので、見るのが楽しみ」と弾んだ表情を見せた。
出発の第一便があれば、到着の第一便もある。午前9時半ごろ、新大阪から鹿児島中央駅に到着した列車からは、博多経由で来たという出張者が降り立った。「つながったのがすごくうれしい」と語り、鹿児島での楽しみを問われると「食事です。ラーメンを食べたい」と答えた。

鹿児島中央駅の柏裕介駅長は「シルバーウィークの前日に復旧を迎えられたことは本当にありがたく思っている」とコメントした。

「人がほとんど歩いていないぐらい」――街への打撃は大きかった
52日間の不通は、鹿児島中央駅周辺の街にとっても大きな打撃だった。駅のすぐそばにある飲食店「西洋亭ひろはま」のシェフ・廣濱翼さんは、その影響の大きさをこう振り返る。「人通りがないのが印象的で、鹿児島中央駅の前も人がほとんど歩いていないぐらい。こんなに影響があるんだとびっくりした」。
同店は16年前、九州新幹線の開通を見込んでこの場所にオープンした。普段は客の6割が県外からの来店だという。お盆期間の影響については「いなかった時期を感じているので、もっともっと頑張って、おもてなしをしたい」と前を向いた。

駅前でタクシーを走らせる運転手も「元に戻ったという感じ。福岡から鹿児島に来る人たち、仕事をする人たちが多い」と話し、「ちょっと表情が晴れやかですね?」と問われると「まあ、そうですね」と照れながら笑った。
当面は減便・徐行での運行
全線再開とはいえ、完全な通常ダイヤへの復帰にはまだ時間がかかる。九州新幹線は当面の間、減便運行が続く予定だ。一部区間では徐行運転が継続されるため、通常ダイヤと比べて鹿児島中央駅では下り便の到着が最大8分遅れ、上り便では発車時間を最大9分繰り上げての運行となる。
それでも、福岡・熊本と鹿児島が再びレールでつながったという事実は、地域の人々にとって大きな一歩だ。明日から始まるシルバーウィーク、鹿児島中央駅は、さらなる賑わいへの期待に満ちている。

