稼ぎ時に第3波の影響が直撃

東京商工リサーチが実施したアンケート調査によると、忘年会や新年会を「開催しない予定」と回答した企業が87.8%にのぼった。66.7%が「2019年は開催したが、2020年は開催しない予定」だった。

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また、企業規模別では大企業92.9%中小企業86.9%が「開催しない予定」と回答。

東京商工リサーチは、飲食店などで「年末年始の稼ぎ時に第3波の影響が直撃する可能性が高まっている」と指摘している。

2020年は忘年会をやらないという会社も多いようだが、皆さんの会社はどうなのか?街で聞いた。

働く人のホンネ

製造業(20代):
大々的にするのはNGという空気はある。職場のコミュニケーションがどうしてもこの1年希薄になっていた感覚があったので、完全になくなるというのはいろいろ問題もあるかなと思う。忘年会はともかく、歓送迎会とかは節目なのであった方がいいと思うし。うまいことリモートでやったりとか…

サービス業(20代):
忘年会は仕事的にはあんまりやっていないが、友達とは結構やっている。ズームでないのは1個だけ誘われている。行くかは迷い中。会いたいと言えば会いたいので、お店もアルコール消毒とかマスク着用をしているところはたくさんあるので、選んで行きたい

商社勤務(50代):
クリスマスパーティーも忘年会も新年会も、基本はとりやめ毎年盛大というか、都内のホテルを貸し切って、皆さん集まってやっている。300人くらい。特に若手の交流とか新入社員、来年の内定者を招いて毎年やっているので、それもないので、来年入る人には寂しい思いをさせてしまっているのでは…

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SE(20代):
最近リモート飲み会はやっていて、移動する手間がなくていいのかなと。店の手配とか出欠を取ったりしないといけないので、そういう意味でもリモートの方がいいかな

サービス業(60代):
忘年会は今年は一切ない。やらないということで、寂しい。みんなで言いたいこと言って飲めるのはいい。みんな諦めていると思う、こういう状況なら。若い人は、会社の連中とわいわい飲むのは、われわれの時代と違うから、逆に今の若い人は喜んでいるみたい

デリバリー活用した“おこもり忘年会”も

Live News αではマーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
感染拡大で飲食店もさらに厳しい状況が予想されますが、どうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
年末年始の一番のかき入れ時に売り上げが厳しくなるのは、大変厳しい局面になります。大人数でやるのは難しいので、感染対策をしっかりして4~5人でやる忘年会を考えていった方がいいと思います

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
例えば、1時間のみの忘年会にすれば、都の要請の小1時間のニーズに応じられるので、そんな工夫をしたらいいのではないかと考えます。ただし、一番大事なのは、何といっても売り上げを維持することなので、単価を上げることがポイントになってくると考えます

三田友梨佳キャスター:
単価を上げると値段も上がって、そのしわ寄せはお客さんに向かうことになりますよね?

渡辺広明氏:
同じものの単価を上げるわけではなく、大変な時ですが、新しいメニューを開発するしかないと考えています。実は農水省が、コロナの影響で販路を失っているブランド食材をインターネットで販売するための補助事業を行っています。送料が無料になるので、この制度を利用して、送料が高くなる遠隔地の高級食材を仕入れて、なおかつロット(量)を少なく仕入れることもできるので、そういうものを活用して新メニューを開発する。そして、お客さんにも喜んでいただいて単価も上げる。そういうことを考えていくことも急務なのではないかと考えます

三田友梨佳キャスター:
普段はないメニューが楽しめるかもしれませんね?

渡辺広明氏:
そうですね。あとは、“おこもり忘年会”も必要ではないかなと思います。農水省の補助事業は、もともと個人事業向けのもので、高級食材を生産者から直接個人が仕入れることができます。なので、飲食店に行きたくない方は、家に取り寄せたりテイクアウトしたりする形で、自宅でリモートの“おこもり忘年会”とか“おこもり新年会”を楽しむのも、新しい対策としていいのではないかと思います

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三田友梨佳キャスター:
そういったサービスを利用したり、デリバリーやテイクアウトを強化している飲食店も増えていますから、今年は、また新たな形で忘年会や新年会を楽しむのも良いのかもしれません

(「Live News α」11月19日放送分)