高齢者の重症化が顕著に

全国の新たな感染者が初めて2000人を超え、医師会は「コロナに慣れないでください」と、危機感を持つよう訴えている。

11月18日、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者は493人にのぼり、1日の感染者数としては8月1日の472人を超え、過去最多となった。

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年代別では、20代が123人、30代が92人、40代が89人などで、65歳以上の高齢者は、17日の36人から倍以上に増え77人だった。

東京都 小池知事:
今日の(感染は)かなり世代的にも広がりがあるのもポイント。高齢者の方々の重症化は顕著に出ている。

さらに、小池知事はBSフジの「プライムニュース」に出演し、今後の対策について、「これまで(1日の感染者)600人を想定しながら必要な体制を準備してきたが、今度は1000人を念頭に入れながら方策を練る。そしてそれを行動に移す」と述べた。

感染状況の警戒レベルは“最も深刻”に

こうした状況を受け、都は19日に開くモニタリング会議で、感染状況の警戒レベルを4段階のうち、最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げる方向で調整している。

また、医療体制の警戒レベルは、先週までと同じく2番目に深刻な「体制強化が必要」に据え置くものとみられる。

18日の全国の新規感染者数は2201人(午後11時時点)で、初めて1日の感染者数が2000人を超えた。

神奈川県で226人、埼玉県で126人、静岡県で87人、長野県で30人と、18日も各地で1日の新規感染者数が過去最多に。

また、北海道では過去3番目となる233人、大阪府では過去2番目となる273人の感染が確認されている。

東京と北海道の医療提供体制はひっ迫

懸念されるのは、医療体制のひっ迫だ。

日本医師会 中川会長:
東京と北海道の医療提供体制は具体的にひっ迫している。そのほかの地域も、もう間もなくひっ迫するだろう。

各地の病床使用率を先週と比較すると、北海道や宮城県では7割を超え、病床の確保が急務となっているほか、東京都では7.7ポイント増えて48.5%。大阪府でも55.3%に増加している。

日本医師会 中川会長:
今後、このまま感染が拡大し続ければ、強い政策を打ち出すハンマーを振りかざさなければならない。強いハンマーというのはもちろん、緊急事態宣言やヨーロッパで言えばロックダウンとか、そういうことを含む。コロナに慣れないでください。コロナを甘く見ないでください。

分科会の尾身会長は、「このままいくと、今までのいわゆるクラスター感染とか、国民の努力だけではなかなかコントロールするのが難しく、さらに強力な対応をしなくてはいけない事態になる可能性があると思う。今もう一度、“ふんどしを締め直す時期”だと思う」と述べた。

(「Live News α」11月18日放送分)