福井県内資本としては最大手のスポーツ用品店が事業を停止し事実上倒産したことが明らかになった。全国大手との競合激化に加え新型コロナウイルスの打撃が重なり、ピーク時には年間13億6900万円を誇った売り上げは半分以下に落ち込んでいた。負債額は10億6400万円と見込まれている。
年間13億6900万円の売上が半分以下に
民間の調査会社・東京商工リサーチや帝国データバンクの福井支店によると、同社は1913年(大正3年)に大野市で創業し1948年(昭和23年)に法人化。最大で県内に6店舗を構えていたほか、学校や競技団体からの受注もあり地域を代表するスポーツ用品店として長く親しまれてきた。

ピーク時の2012年度には年間約13億6900万円を売り上げ、少子化や人口減少が進む中でも、オリンピックや国体で高まった競技人気の需要を取り込み売り上げを維持していた。
しかし、その後は全国大手との競合に加え、新型コロナの感染拡大により強みだった部活動関係の売上が低迷。2025年度の売上は約6億円とピーク時の半分以下にまで落ち込み、赤字が続いたことで資金繰りが悪化していた。
競合激化とコロナ禍—地域の老舗に二重の打撃
経営悪化が表面化したのは7月31日。本社に併設された店舗の入口には、臨時休業を知らせる掲示が出されていた。
事後処理を一任されている弁護士によると、すでに裁判所へ破産申立てを行っており、近日中に破産手続きが開始となる見通しだという。
全国展開する大手スポーツ用品チェーンとの価格競争が激しさを増すなか、地域密着型の店舗は厳しい立場に置かれてきた。
そこに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスの感染拡大だ。スポーツ活動や外出自粛による需要の落ち込みは、中小事業者にとって致命的な打撃となった。
創業から113年、大野市から県内最大手にまで成長した老舗スポーツ店が姿を消すことになった。

