10月5日召集予定の臨時国会では総理の“悲願”である消費税減税法案の審議も控えているが、公約実現のため財務大臣に加えて新設された消費税・支援金法案担当大臣も兼ねることになったのが片山さつき氏だ。高市総理の目指す「責任ある積極財政」の舵取り役を福岡で直撃した。
「赤字国債の増発には頼らない」
内閣改造を直前に控えた9月14日、福岡市を訪れた片山さつき財務大臣。

臨時国会で焦点となるのが、消費税減税法案の行方、なかでも最大の課題が、年間約4.8兆円とされる『財源の確保』だ。

片山財務相は「我々も財源作りということには、財務省全体で責任を負っておりますので、お約束している通り、赤字国債の増発には頼らないということで、歳出歳入全体を見直しますし、税外収入もかなり確保しておりますし、日本版DOGE(租税特別措置・補助金見直し担当室)も、これから本格的にやりますし―」

「そうすると1年で4.8兆円というのは、我々としては全然、その視野に入るという、できる範囲なので申し上げている」と赤字国債に頼らない財源の確保に自信を見せる。

「いま何をいくらということは“日が高い”」
しかし来年度予算に向けた各省庁の概算要求が出揃ったばかりの現段階では、財源の具体的な中身を示すことは時期尚早であるとしている。

10月の臨時国会では示されるのかと尋ねると片山財務相は「(臨時国会では)法案の審議とかも出てきますが、まだその時点でも全部が出てくるかどうか分からないんですが、論議のなかでいろんなことがございますからね。衆議院、参議院とそれは予断を許さない。ついこの間、概算要求が出てきたばかりなんです―」

「それで予算の世界で言うと、まだ日が高すぎるんですね。それが12月に向けて収束していくなかで、できるだけ早くね、国民の皆さまに、そして国債市場マーケットに安心を持って頂けるようにはしようと思うけど、まだ『いま何をいくらね』っていうことは“日が高い”っていう意味でございます」と臨時国会での具体的な財源の提示には慎重な姿勢を示した。

ガソリン暫定税率撤廃 政治決断による実績強調
一方で、原材料費や人件費の高騰が続くなか、減税分が本当に店頭での価格引き下げに繋がるのかという疑問も残る。

これに対し片山大臣は当初、価格は下がらないのではと懸念されていたガソリンの暫定税率撤廃を引き合いに出し、政治決断による実績を強調した。

▼片山さつき財務相「実際には街中のガソリンスタンドは一生懸命、年内に下げたんですよ。そのとき皆さんそれを見て『やっぱり政治の決断でものって下がるんだね』と。これが、日本の物価上昇率がG7で1番低い理由―」

「やればできるということなので。官房長官の方からも全政府の方にしっかり指示を出してもらって、国が8%頂いてたものが4月1日から1%になるんですからね。はっきり目に見えて『その部分は消費者への信頼ということで下がるよね』という、きちんとそういう流れを作っていきたいと思っております」

「とにかく日本に足りないのは投資」
もうひとつの懸念が“2年後の出口”だ。消費税率の引き下げは、2029年3月末までの2年間限定だが、前年の夏には参議院選挙も予定されていて「税率を戻すことは実質”増税”だ」という声も上がっている。

2年後までの限定的な措置というところで、本当に2年後にやめることができるのか? 税率を下げられる根拠は―。

▼片山さつき財務相「そこはもう高市総理が『政治責任を持って』と仰ってますから、そこに向けてですね。とにかく日本に足りないのは投資で、この投資がしっかりと初年度から出てくれば、景気が良くなる、GDPが増える効果ってすごいんですよね」

片山大臣は、高市総理の政治責任とともに、総理“肝いり”の成長投資で経済を押し上げることが前提になると強調。

投資を呼び込み、実質賃金を底上げすることで税率を元に戻した後も家計や暮らしへの影響は抑えられるという考えだ。

▼片山さつき財務相「(投資拡大で)経済の数字が全部上がってくるので、29年4月から(税率が)戻るという予定なんですが、その頃にはかなりそもそも実力の賃金上昇率とかも上がっているという状況に持っていこうというのが、我々の“サナエノミクス”の理想なので、ですからそこまではまだ3年弱あるわけですよ、29年ですからね」

「福岡が伸びなかったらどこが伸びるんだ」
経済成長のモデルケースとして期待を寄せるのが九州、そして福岡での半導体やAIなどへの大型投資だ。

▼片山さつき財務相「大型設備投資の工場の増床とか研究所とか半導体アイランドとか、そういうものが次々と予定地になって、或いは動いてくるとその周辺の道路とかインフラもやらなきゃいけない。だからそれも含めて『動いてるな』っていう感じ。それから人の募集が後でくるとかこれは(経済効果が)分かると思いますよ―」

「今回の強く豊かな日本投資枠を牽引する焦点のひとつですから絶対、頑張って頂きたいし、福岡がここで伸びなかったらどこが伸びるんだというぐらいだと思いますので一緒に頑張りましょう」

期限付きの減税に対し、財源をはじめとした議論の行方が焦点となる臨時国会。暮らしに繋がる政府の実行力が問われている。
(テレビ西日本)

