28日に熊本県で最大震度7を観測した地震について、専門家は10年前の熊本地震を引き起こした断層のうち動いていなかった、いわゆる「割れ残り」部分が動いた可能性があると指摘しています。
こうした割れ残りの断層は福岡県内にも存在します。
28日、熊本県で最大震度7を記録した地震。
◆気象庁の会見
「東北東西南西方向に圧力軸を持つ、横ずれ断層型となっております」
気象庁は会見で10年前の熊本地震と同じく断層が水平方向にずれる「横ずれ型」の地震だったと発表しました。
着実に復興を遂げてきた熊本を再び襲った今回の大地震。
専門家はそのメカニズムについて、つぎのように指摘します。
◆東京大学地震研究所 青木 陽介准教授
「10年前の地震で日奈久断層の部分が割れ残っているという風に考えて、その割れ残った部分が地震で割れたと捉えるのは自然だと思いますね」
専門家が今回の地震を引き起こしたと指摘するのは断層の「割れ残り」。
10年前の熊本地震は日奈久断層帯の北の端で発生しましたが、今回は10年前には動かなかった南側で起きていて、断層のいわゆる「割れ残り」部分が引き起こしたというのです。
日奈久断層帯は、国の地震調査研究推進本部が30年以内の地震発生確率が3パーセント以上と、最も高い危険度を示す「Sランク」に位置づけていました。
福岡県内でも同じ「Sランク」に位置づけられているのが「警固断層帯」と「福智山断層帯」です。
中でも、懸念されるのが…。
◆東京大学地震研究所 青木 陽介准教授
「日奈久断層と警固断層の南東部というのは同じですね。少しうしろ、2005年の(西方沖)地震の断層の割れ残りというのが陸上に残っていて、地震を起こす可能性はけっこうあります」
2005年3月に起きた福岡県西方沖地震。
最大震度6弱を観測し1人が死亡、多数の負傷者が出たほか、福岡市・天神は大勢の帰宅困難者であふれました。
その西方沖地震の震源域は、玄界灘から福岡平野にかけて延びる警固断層帯の北西部。
そして、今、専門家が「割れ残り」として危険性を指摘しているのが福岡市から筑紫野市に至る南東部の断層帯です。
◆東京大学地震研究所 青木 陽介准教授
「この割れ残りがどうなっているか、それがいつなのかというのは非常に難しい。極端なことを言えば明日かもしれない。つまり、地震は起きると。地震が起きた時にどこに避難するとか、そういうことをあらかじめ決めておくってことですね」
いつ起こるかわからない大地震。
命を守るため改めて日頃からの備えを確認しておく必要があります。
警固断層の割れ残りリスク
日本一危険とも言われる「警固断層」のリスクを改めて見ていきます。
11年前に起きた西方沖地震は、警固断層の北西部が震源となりました。
警固断層は福岡市の中心部を通る陸側にも続いていて、それが「南東部」となります。
専門家は、この南東部が、今回の熊本地震と同じ「割れ残りにあたる」と指摘していて熊本の日奈久断層と同じSランクにあたります。
割れ残りのイメージとしては、北西部が既に動いて地震が起きたことで、南東部側が動くリスクがより高まっているという形です。
この南東部での地震が今後30年以内に「最大6%の確率」で発生すると分析されていて、地震が起きた場合は福岡市でも最大震度7、県内の死者は最大で1800人と甚大な被害が出ると想定されています。
