実際に、被災者を装い、存在しない倒壊家屋から救助を求める虚偽の情報を投稿した男が、偽計業務妨害の疑いで逮捕されています。
確かに、SNSの投稿が支援や救助につながることはあります。
ただ、その善意のリポストにも責任が伴うとしたら、どうでしょうか。
他人の投稿をそのままリポストした場合でも、内容によっては名誉毀損などの責任を問われ、損害賠償が認められた裁判例もあります。しかもその判決は、投稿した経緯や意図、目的、動機を問わないとしています。
「自分が書いたわけではない」「助けようと思って広げただけ」
それだけで、必ず責任を免れられるとは限らないのです。
誰かの悪意に自分の善意を利用されない、その意識を持つ必要があります。
災害での被害者にならないため
これから起きる災害でも、犯罪が必ず増えるとも、減るとも一概には言えません。
統計上の犯罪は減っていても、無人になった家への空き巣は増える。普段なら被害に遭わない人が被害に遭う。届け出るほどではないと諦めた被害、声を出せなかった被害は、数字にも残りません。
災害時は疲労や焦りが重なり、誰にでも普段なら見せない隙が生まれます。そこにつけ込む犯罪もあります。被災しなければ起こらなかった状況の中で、危険を過小評価しないことが、災害後の自分と家族を守る、いちばん現実的な備えだと思います。
三沢おりえ
総合危機管理アドバイザー。総合防犯設備士、防災士、危機管理士、元・硬式空手世界チャンピオン。

