被災地や避難所で窃盗などの犯罪が起こると聞いたことはありませんか?実際、被災地で犯罪は増えるのでしょうか?どんな犯罪が起こるのでしょうか?総合危機管理アドバイザーの三沢おりえさんに、被災地の犯罪について解説してもらいました。

「災害の後は、犯罪が増える」…よく聞く話です。

ところが警察白書を見ると、東日本大震災の後、被災した3県では刑法犯の認知件数が全体として減少しています。

増えるどころか、数字の上では減っている。では、災害後の被災地は安全だったのでしょうか。

いえいえ、そんな単純な話ではありません。

数字に出る犯罪、出ない犯罪

犯罪の認知件数とは、警察が犯罪として把握した数です。

大きな災害が起きれば、通勤や通学は止まり、店も閉まります。そのため、自転車盗や万引きなど、普段の生活の中で起きていた犯罪の機会が減ったことは考えられます。

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一方、住民は避難や安否確認、片付けに追われる中、財布からお金がなくなった、避難先で荷物を盗られた、知らない人から不快なことをされた。

被害に気づいても、警察へ届ける余裕がなかった人もいたはずです。統計が減ったからといって、被害に遭った人まで同じように減ったとは限りません。

犯罪そのものが減った部分と、届けられないまま数字に反映されなかった被害。その両方があると考える必要があります。

私の100円は、どの統計にもない

個人的な体験になりますが、東日本大震災のとき、私が住んでいた地域では、約1カ月間断水が続きました。

家は無事だったため、在宅避難です。ただ、水が出ないので、少し離れた銭湯まで車で通いました。たくさんの人が外まで並び、順番が来ても脱衣所はすし詰めでした。

子どもの体をタオルで拭くためにしゃがんだ、ほんの一瞬です。