福岡県議会における正副議長ポストを巡る“金銭授受疑惑”で、告発者の音声データの当事者とされる中尾正幸副議長が、2026年7月24日、突然の議員辞職を表明した。疑惑を否定し続けている副議長が、なぜ、このタイミングで突然、議員辞職に踏み切ったのか?

「県民の信頼が損なわれたから」

福岡県議会の中尾正幸副議長は、7月24日午前、突如、議員辞職を表明。同日午後1時からの会見で中尾氏は、冒頭、「私の発言で福岡県議会に対して、大きな疑念が生じ、県政の混乱を招いてしまいました。また、県民の信頼が大きく損なわれてしまいました。私は責任を痛感しております。県民の皆様、県議会議員の皆さま、謹んでお詫び申し上げます。ご迷惑をおかけし、大変、申し訳ございませんでした」と陳謝した。

議員辞職した福岡県議会 中尾正幸氏
議員辞職した福岡県議会 中尾正幸氏
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更に、中尾氏は、「音声データの私のやりとり、県民の皆様は、誰一人納得できなかったと思います。また、誰一人、私を信じて頂けなかったと思っています」とした上で、「私に対する県民の信頼が大きく損なわれている以上、副議長の職、ならびに県議会議員の職を辞する旨を蔵内議長にお伝えし、辞表を受理して頂いた」と説明した。

その上で、金銭授受については「絶対にありません。正副議長のポストをお金で買うようなことは、断じて許されない行為であります」と改めて否定。

議員辞職した中尾正幸氏
議員辞職した中尾正幸氏

「今後設置される調査委員会の聞き取り調査には、事実に基づいて真摯に誠実に回答いたします」と述べた。

議長「君は並のトカゲじゃないよ」

金銭疑惑を今も完全に否定する中尾氏は、いつ議員辞職の決意を固めたのか?会見で中尾氏は、「7月21日に蔵内議長に自分の思いを伝えたが、強く慰留された」と話す。

当時の状況について、蔵内議長は、「随分、慰留をいたしましたが、あの性格ですから、頑として辞めたいと。こういう強い意思でございましたので、私もやむを得ないかなという思いでした」と振り返った。

蔵内議長を「政治の師匠」と慕う中尾氏。蔵内議長とのやり取りの中で『トカゲの尻尾切りと言われるかも分かりませんよ』と自分が辞職した後のことを気遣ったという。

これに対し、蔵内議長は、「中尾君、君は並のトカゲじゃないよ。ガラパゴスに生存しそうな進化しない大トカゲだと。しかし、今回、自ら尻尾を切って自分として戦いたいということは、私は良しとする」と答えたという。

疑惑告発の県議を名誉棄損で告訴へ

一方、中尾氏は、一連の疑惑を告発した吉松源昭県議について「名誉毀損で刑事・民事で、弁護士と相談して告訴いたします」と表明した。

中尾氏の突然の議員辞職を受け、吉松県議は「まず、驚きました。まさか議員辞職とは思いませんでしたので」とコメント。

「この中尾副議長の辞職を『トカゲの尻尾切り』にせず、これをスタート地点として『第三者委員会』を進めて欲しいと思います」と今後の調査に期待を寄せた。

加えて「議員を辞めるか辞めないかというよりも、真実を話して欲しいと思います。中尾さんだけじゃなく、原口、松本議員、いずれも『お金は蔵内相談役に渡す』という答えでした。

蔵内相談役の説明責任というのは、必ずある。してもらわなくちゃいけないと思っています」と吉松県議は、改めて疑惑の真相解明を求めた。

会見後、中尾氏は、『悔いなどありますか?』という記者の問いに対し「ないよ」と満面の笑顔で答え、足早に県議会を後にした。

(テレビ西日本)

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