福岡県議会の正・副議長ポストを巡る金銭授受疑惑では、県議会が外部による調査を進める方針を示している。また内部の議員からは「自主解散して出直し選挙をするべきだ」という声も上がり始めている。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が、調査のあり方や問題決着の行方を解説した。

「非常に不安」 若手議員が明かした胸の内

今後の最大の焦点は県議会が自ら行うという疑惑の調査だ。外部調査だが、かたちとしては、県弁護士会の推薦を受けた弁護士や県警OBなどが主体となって、金銭の要求や授受があったかを全議員に聞き取るとしている。

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蔵内勇夫議長(72)は「7月14日までに調査が終わって欲しい」と話していたが、そもそもこの調査自体が始まっていない。

この状況に内部からも不安や懸念の声が上がっている。自民党県議団の若手議員の1人は「若手何人かで早くアクション(調査)を起こさないと不信感が募るばかりだ、と意見したけども動かない。非常に不安で、もう巻き込まないで欲しい」と胸の内を明かした。この外部調査が100%客観的に行われるかがポイントだが…。

▼鈴木哲夫氏「全国の自治体でこういう何らかの問題、例えば兵庫とかもそうですが、そういうときには第三者委員会が出てくる。問題は、ここがどれだけ問題と距離感を持って客観的に、もっと言うと厳しい見方ができるか、そういうメンバーでないと、何らかの結果を出しても不信感が残ります。『結局、甘いんじゃないか』と」

▼鈴木哲夫氏「今回のメンバーが果たしてどうなのか、僕はそういう人たちに資格がないとは言いませんが、やはり人選の問題が非常に大きいということです。自主的に調べるといってもあくまで第1段階なんですよね。そういう意味では、これで不信感が取り除かれるかというと、そこまで行くのかなという不安はちょっとありますね」

議長経験者「自主解散して出直し選挙を」

現時点では懐疑的な見方も出てしまう状況だ。もうひとつの焦点は、県議会自身がこの問題をどうやって決着させるかという部分。

内部の自民議員から意見が出ていて、ある自民県議からは「疑惑が事実であれば中尾県議は辞職すべきだ」という意見もある。また別の議長経験のある自民県議は「もう議会を自主解散して出直し選挙を行うべきじゃないか」というような意見も内部から出ているが…。

▼鈴木哲夫氏「これはある種、正論ではあるんだけど、前提として“疑惑が事実であれば”だから、これが本当に事実かどうかという解明がまず大事ですよね」

▼鈴木哲夫氏「それをやれるのは、議会自身もそうだけど、県の出番ですよ。この前、服部知事が『議会のことをどんどん突っ込んで調査をするのはなかなか難しい』というようなことを会見で言ったと思います。でも地方自治は『二元代表制』ですから、県庁の知事も議会の議員も県民が選んでいますよね。これはお互いに切磋琢磨して『チェック&バランスで県政をやる』という仕組みなんですね」

服部誠太郎・福岡県知事
服部誠太郎・福岡県知事

▼鈴木哲夫氏「そういう意味からすると県も、今回の疑惑とか、他の事業でもいろいろ問題が出てきているなか、ある種の調査機関や組織みたいなものをつくって、厳しくチェックをする対応は、県もやらなきゃいけないんじゃないかなと思うんですよね。そういうなかで、事実関係をどこまで絞り出せるかっていうことに、当面はなってくると思います」

服部知事も「これまで議会に対して過剰な忖度があった」と明言している。県と議会の両輪での県政全体のあり方やかたちが、本当に問われることになりそうだ。

(テレビ西日本)