去年7月、和歌山市内の自宅で2歳の娘を虐待し、治療を受けさせずに死亡させた罪に問われている両親の裁判で、和歌山地方裁判所は父親の平晴流被告(26)と母親の菜々美被告(26)に「拘禁刑8年」の判決を言い渡しました。

■2歳の長女を虐待…体重は平均体重の半分ほどに 両親は起訴内容認める

晴流被告と菜々美被告は長女の流菜ちゃん(当時2歳)に暴力を振るうなどの虐待をし、十分な食事を与えなかった上、適切な治療も受けさせずに、死亡させた保護責任者遺棄致死の罪に問われています。

流菜ちゃんは死亡した時、2歳児の平均体重の半分ほどのおよそ6キロとやせ細り、下あごの皮膚が裂けていたということです。

2人はこれまでの裁判で「間違いありません」と起訴内容を認めていました。

その上で、菜々美被告の弁護側は「虐待のほとんどは菜々美被告によるものだが、保護責任者遺棄致死罪の責任については夫婦で負うべき」と主張。

一方晴流被告の弁護側は、被告自身が幼少期にネグレクト状態にあったことや、暴行や食事制限はほとんど菜々美被告によるもので、止められなかった理由などを検討すべきと主張していました。

■検察側は「拘禁刑9年」を求刑

今月8日の裁判では検察側の求刑が行われていました。

「流菜ちゃんはあごの裂傷やあごの骨折など治療が必要なけががあり、保護しなければ死につながるものであり、しかもその原因は被告2人の虐待によるもの。流菜ちゃんは本来であれば無条件に愛情を注がれる親から疎まれ、極度にやせた状態になり、絶望の中で死亡していて、犯行の結果は重大」と指摘。

また晴流被告側が、「虐待のほとんどは菜々美被告によるもの」と菜々美被告より責任が軽いと主張していたことについては「晴流被告は菜々美被告の虐待を見たり聞いたりしても積極的に止めておらず、差し置いて病院に連れて行ってもいない」などとして、「責任は同程度」として、拘禁刑9年を求刑しました。

■亡くなる直前の流菜ちゃんを「あほ」と呼び…

これまでの裁判では、両親が流菜ちゃんを疎ましく思っていたことなど事件に至る経緯が明かされていました。

亡くなる直前、虐待によって衰弱するわが子・流菜ちゃんのことをLINEで「あほ」と呼んでいました。

<流菜ちゃんが死亡する3日前の去年7月7日>
【晴流被告から菜々美被告へのメッセージ】「(流菜ちゃんは)体内おかしくなってきてるんじゃない?そろそろ腸内つぶれる」

<去年7月8日>
【晴流被告のメッセージ】「あほどう?」
【菜々美被告の返信】「あほは水飲ませて寝かせているよ」

■被告人質問で明かされた「虐待原因」と父親の虐待経験による「これくらいなら」

また被告人質問では、菜々美被告が虐待のきっかけは、晴流被告の親族が「流菜の顔を見て”やっぱり長男が可愛い”と言った」ことだったと話し、食事は「顔を見るのがいや」で与えなくなったと述べました。

その結果、流菜ちゃんは食事を受けつけない状態になりました。そして、食事を与えていなかったことを「風呂に入れるのが夫だった」として、晴流被告も知っていたはずだと話しました。

一方、晴流被告は被告人質問で、自身が幼少期に虐待を受けていたことや「ゲンコツ」で暴行していたことを説明し「これくらいなら大丈夫だろう」と思っていたと述べるとともに、菜々美被告の暴行について「やり過ぎだ」と思っていたことなどを語りました。

【晴流被告】「(暴行は)さすがにやり過ぎやと思いました」
【弁護人】「(菜々美被告に)強く注意しようとは?」
【晴流被告】「思わなかったです」

■2人はそれぞれ流菜ちゃんへの謝罪を口に

審理の最後に菜々美被告と晴流被告は、それぞれ流菜ちゃんへの謝罪を口にしていました。

【菜々美被告】「流菜に心から謝罪をします。本当にごめんなさいと伝えたいです。流菜の解剖前の写真を見て、自分が犯してしまった罪の重さを痛感しました。

私は母親でありながら、流菜の体だけでなく、心も深く傷つけてしまいました。どんな判決も受け入れます」

【晴流被告】「娘には本当に謝っても謝りきれません。成仏できるよう、日々、罪を償い、娘の思いや無念を背負い続けます。一生、供養し、償い続けることをここに誓います」

関西テレビ
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