7月11日と12日に実施した今回のFNN世論調査で、高市内閣の支持率は6月調査の65.3%から3.7ポイント下がり、61.6%だった。

5月、6月、7月と3カ月連続の支持率下落となった。
政権発足直後(75.4%)と比べると、13.8ポイント下がっている。
調査結果を詳細に分析し、支持率下落の背景と高市政権の今後を探る。
“消費税減税”意向は6月と変わらず
食料品にかかる消費税の減税について、最も多かったのは「早く実現するなら1%でもいい」で、43%だった。

6月調査(45.1%)でも最多だった。
「時間がかかっても0%にすべきだ」は24.5%で、6月調査(27.7%)より減った。
「減税すべきでない」は29.7%で、6月調査(25.9%)より増えた。
“給付一本化”賛否ほぼ同数
収入が少ない働き手を支援する「給付付き税額控除」制度の導入について、納める税金から一定額を引いて税負担を軽くする「税額控除」を当面見送り、現金の「給付」に一本化する政府・与党の方針に、「賛成だ」と答えた人は43.9%で、「反対だ」と答えた人は42.2%だった。

賛否ほぼ同数となったが、政府・与党の方針を支持する有権者が辛うじて多く、内閣支持率を下げる直接的な原因とは考えにくい。
“国旗損壊罪”賛否も6月と同傾向
罰則付きの「国旗損壊罪」を新設することに「賛成だ」と答えた人は61.7%、「反対だ」と答えた人は28.8%だった。
6月調査では「賛成だ」が56.9%、「反対だ」が34.9%で、賛成が増えており、内閣支持率続落とは無関係に見える。
“定数削減”は「比例も小選挙区も」が最多
衆議院議員の定数削減について尋ねたところ、最も多かったのは「比例代表と小選挙区の両方を減らすべきだ」で、45.5%だった。

自民党と日本維新の会の与党が主張する「比例代表だけを減らすべきだ」は、「両方」の半数程度の23.7%にとどまった。
「小選挙区の議席だけを減らすべきだ」は7%で、「定数を減らすべきではない」は16.8%だった。
「比例定数のみ45議席削減」は、維新の主張を受けて高市総理大臣と自民が了としたもので、今国会に提出された主要法案の中では有権者の多くの求め(「比例と小選挙区の両方を減らすべきだ」)と隔たりはある。
支持政党別に見ても、自民支持層の45.5%、維新支持層の57.3%が「両方」とも削減すべきだと答えている。
ただ、政策方針自体というより、維新が求める「衆院議員の定数削減」と「副首都」構想の2法案について、野党の強い反発を押し切って審議に入り、結果として6月末から7月上旬まで国会が空転状態に陥った強引な国会運営への批判が高市内閣の支持率に影響した可能性は否定できない。
とはいえ、実際に国会運営を行っている自民と維新の政党支持率は微減にとどまっており、内閣支持率が顕著に下がった理由と直ちに相関しているとまでは言いがたい。
歴代内閣支持率との一致点
これと言って支持率下落に直結する要素が見当たらないので、過去の内閣支持率との相関を調べてみた。

高市内閣発足直後の2025年10月調査では、内閣支持率は75.4%だった。
2カ月後の同年12月調査での75.9%を最高として年明けは下落と上昇を繰り返し、発足から6カ月後の2026年4月調査での70.2%以降、7月調査まで3カ月連続で下落している。
高市内閣と同様に高めの内閣支持率でスタートした政権として、岸田内閣の支持率を調べると、相似点が見られた。
岸田内閣発足直後の2021年10月調査では、内閣支持率は63.2%だった。
その後は上昇と下落を繰り返しながら、発足7カ月後の2022年5月調査で68.9%を記録し、結果的にこれが岸田内閣の最高支持率となった。
民主党からの政権交代によって発足した第2次安倍内閣の支持率は、発足直後の2012年12月調査で55%だったが、発足4カ月後の13年3月調査で記録した70.4%まで毎月上昇を続け、以降は下落傾向となった。
このように、発足時に高い支持率を記録した内閣も、3~4カ月から半年強で支持率は下落傾向に転じている。
高市内閣は、7年8カ月以上続いた第2次安倍内閣の発足時の支持率より20ポイント以上高い支持率を得て歩み始めた。
発足6カ月後の2026年4月から支持率が下落基調になったとはいえ、これは他内閣と同様の傾向であり、それでも60%を保っていて、高市総理とその政策や政権運営への不満や不安が特に高まっていなくとも起こりうる現象ではないだろうか。
では、高市内閣の支持率は今後も下落を続けるのか、上昇する局面はないのか。
第2次安倍内閣の支持率は、13年8月調査で55.2%まで下落を続けたが、2020オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まった後の13年9月調査では65.2%まで上昇し、翌月13年10月調査では5%だった消費税の8%への引き上げ表明直後にもかかわらず58.6%と、東京五輪開催決定前よりも高い値で踏みとどまった。
「五輪開催決定」ほどではなくても明るい材料があれば、高市総理の支持率が上向く可能性はもちろんある。
一方で、岸田内閣では2022年5月調査で最高支持率68.9%を記録し、その後は数%ずつの下落だったものの、内閣改造後の同年9月調査では前月から12ポイントも急落し、42.3%まで落ち込んだ。
旧統一教会と議員の関係について自民党へ厳しい目が注がれていた時期でもある。
高市総理が近く内閣改造に踏み切るのではないかとの見方もあるが、想定外のスキャンダル等によっては発足時の支持率の“貯金”を一気に吐き出すことになる可能性もあり、まずは内閣改造のタイミングに注目したい。

