鹿児島県の奄美大島などに生息し、絶滅の恐れがある2つの野鳥について「生息状況の改善が見られた」として、環境省が6月30日付で保護増殖事業を完了すると発表した。環境省が同様の事業を完了させたのは全国で初めてだ。
「アマミヤマシギ」「オオトラツグミ」の保護増殖事業完了
保護増殖事業が完了したのは絶滅の恐れがあり、国内希少野生動植物種に指定されている「アマミヤマシギ」と「オオトラツグミ」。
アマミヤマシギは奄美大島や徳之島などに分布し、オオトラツグミは奄美大島だけに生息している。いずれも森林伐採やマングースによる捕食などで個体数が減り、環境省が1999年に保護増殖事業計画を策定した。国立公園指定による生息地の管理やマングースの駆除などを行ってきた結果、推定でアマミヤマシギは約1万7000羽、オオトラツグミは約5000羽まで回復した。
環境省が宣言「生息状況が年々改善 保護増殖事業完了」
奄美市で記者会見した環境省沖縄奄美自然環境事務所・大林圭司所長は「両種の生息状況は年々改善し、保護増殖事業を完了することが妥当と判断した。ここにアマミヤマシギ、オオトラツグミの保護増殖事業の完了を宣言いたします」と話した。
奄美希少野生生物保護増殖検討会の石井信夫座長(東京女子大名誉教授)は「世界的にも日本でも生物多様性の著しい減少傾向があるが、その中で奄美地方に見られる鳥類2種について、きちんと対策をすれば絶滅危惧状態からの回復が可能だと実証されたことの意義はとても大きい」と語った。今後は環境省が生息状況を把握するためモニタリング調査などを行っていく予定だ。
絶滅からの改善が宣言された奄美の貴重な野鳥たち。残念ながら人里で見かけることは難しいが、二度と絶滅の危機にひんすることがないよう祈りたい。
(野鳥の画像提供:環境省)

