鹿児島県いちき串木野市を拠点に、史上6校目となる夏冬2冠を成し遂げた神村学園高等部男子サッカー部。全国の強豪が「打倒神村」を掲げて挑んでくる2026年のインターハイを前に、選手たちの口からは慢心の言葉ではなく、むしろ「まだ何も成し遂げていない」という言葉が飛び出した。連覇を目指しながらも、自らをチャレンジャーと位置づける神村イレブンの姿を追った。
夏冬2冠から、さらなる高みへ
2025年夏のインターハイと2026年1月の全国高校サッカー選手権——この2つのタイトルを制し、史上6校目の夏冬2冠を達成した神村学園男子サッカー部。その勢いは2026年の県予選でも衰えず、5月のインターハイ県予選決勝では鹿児島城西を1対0で下し、9大会連続12回目となる全国への切符を手にした。

いちき串木野市の専用グラウンドでは、今日も選手たちが神村伝統の「超攻撃的サッカー」を磨くため、汗を流し続けている。
背番号14を背負う副キャプテン・花城瑛汰
チームの攻撃を牽引するのは、副キャプテンでフォワードの花城瑛汰選手だ。現在J1のガンバ大阪で活躍する名和田我空選手らが歴代背負ってきた背番号14を受け継いだ花城選手は、その重さをピッチ上で体現しようとしている。

「自分の武器は前への推進力だったり、アジリティ(敏しょう性)だったり、ゴール前のドリブルだったり、パス、ゴール前のアイデアが特長」
花城選手は、優勝した冬の選手権決勝において、当時の2年生として唯一、国立競技場のピッチに立った。憧れ続けた夢の舞台を実際に踏みしめたとき、その感覚は予想を超えるものだったという。

「小さい頃からテレビで見てて夢の舞台だった。いざ立ってみて、努力の仕方によってあそこの舞台も夢の舞台ではなくて誰でも立てる舞台になると思った」
その経験は、チームメイトへの言葉にも力を与えている。ピッチ外でも積極的に声をかけ、プレーと言葉の両面でチームを引っ張る花城選手。高校最後の夏を前に、強調するのは「満足しないこと」だ。
「自分たちはまだ何も成し遂げていない状態でまだまだなんだと、満足しないというのを常に一人一人が意識して練習に取り組んでいる」

2冠を達成した直後でありながら、この言葉には驕りの欠片もない。それこそが、神村学園が勝ち続ける理由の一端を示しているようだ。
攻撃を支える守備の闘将・大空星那
神村の超攻撃的サッカーを後方から支えるのが、ディフェンダーの大空星那選手だ。2026年1月には17歳以下の高校選抜候補にも選ばれた逸材で、守備だけにとどまらない積極性が持ち味だ。

「自分の武器はサイドからかけあがってクロスボールを上げること」
その言葉通り、インターハイ県予選決勝では決勝ゴールを決め、全国行きを手繰り寄せた立役者となった。本番でも同じ形で勝利に貢献しようという意欲は、言葉にもあふれている。
「右サイドからクロスが上がって決めることが多いので、何本もチャンスがあると思うので、何回も走って得点を取りにいく」

守備の選手でありながら、得点への飢えを隠さない。その姿勢こそ、神村学園が体現する「超攻撃的サッカー」の精神が、チーム全体に浸透していることの証左だろう。
チャレンジャーとして、福島へ
全国の強豪たちが「打倒神村」を掲げて挑んでくる2026年のインターハイ。ディフェンディングチャンピオンとして臨む今大会だが、花城副キャプテンの言葉は力強かった。
「他のチームは神村学園に対してチャレンジャーとして向かってくるかもしれないが、自分たちがチャレンジャー精神を持って、どこの相手にも自分たちらしいサッカーをして勝ちたい」
追われる立場に慣れることなく、自ら挑み続ける姿勢——それが神村学園の強さの根幹にある。
男子サッカーのインターハイは7月25日から福島県で開幕。神村学園の初戦は7月26日午前9時30分から、佐賀東と山口県の西京の勝者と対戦する。鹿児島から全国へ、いちき串木野市の専用グラウンドで積み上げてきた努力が、福島のピッチで花開く瞬間が近づいている。
【動画で見る▶【目指せ!インターハイ優勝】神村学園男子サッカー部 連覇に挑む夏】

