7月9日、「とれたてっ!」取材班は飲食店が立ち並ぶ東京・新橋へ。そこでは…
【取材レポーター】「入口のところに、新しく書かれていますが、『恐れいりますが本日クレジットカード使用不可』と書かれています。『代行会社のトラブルによって今クレジットカードをご利用いただけません』と書かれていますね」
隣の有楽町でも、クレジットカードが利用できないとの貼り紙をする店が。
今、東京だけでなく、全国で起きているこの混乱のワケは…
■クレジットカードが使えない… 混乱の原因は決済代行会社の破産
決済代行会社 「全東信」の破産。
飲食店などと契約し、クレジットカードの決済代行を手掛けていた「全東信」が、破産手続きの開始決定を受けたことが今週、明らかに。
負債総額はおよそ1259億円にも上り、“今年最大規模の倒産”になるといいます。
その加盟店数は、2018年の時点でおよそ20万。
そしてこの先、さらなる混乱が広がる恐れも…
【フードジャーナリスト・山路力也さん」「(飲食店の)経営にも影響が出てくるのではないかと、「連鎖倒産」みたいになる可能性も(ある)」
突然、巻き起こったクレジットカードを巡る騒動。
混乱の現場を取材しました。
■”混乱”の現場 客も困惑…「現金持ってきてなくて…」
東京・渋谷の飲食店。
「全東信」と契約していたこちらのお店では、レジにあるクレジットカード端末の画面に「エラー」の表示が。
やむなく、会計は「現金のみ」に。
ひと昔前は当たり前だった光景ですが…突然の現金払いに翻弄されるお客さんも。
【客は…】「現金、きょう持って来てなくて、なので困っちゃいました。今友達が(現金を)下ろしに行っています。大迷惑です」
今や当たり前となったキャッシュレス決済。
街ゆく人が、財布に入れている現金の額はを聞いてみると、「手持ちは数千円」という人が多くいました。
だからこそ、クレジットカードが使えず、困惑する人が続出。
店側にも深刻な影響が出ています。
■店も対応に追われる 端末を見えないところに「使えると勘違いしないように」
「全東信」と契約していたお好み焼き店を取材すると…
【取材レポーター】「元々のクレジットカードのその端末っていうのは?」
【お好み焼き店の店主】「これ。隠してある。」
お客さんが、「使える」と勘違いしないよう端末は見えないように。そして、お釣りの現金も準備します。
【お好み焼き店の店主】「現金払いは(お客さんの)2割だったので、細かいお金、これ要りますよね。」
そもそも、客がクレジットカードで支払った代金は、カード会社が後日、店に入金。
「全東信」はその前に立て替えて、店が通常より早く売上金を受け取れるサービスで手数料を得ていましたが、倒産したことで、店に売上金が入らない恐れがあるというのです。
■「7月分の売り上げは入ってこないだろうと言わている…」 店が直面する困難 担当者に連絡も…
取材したお好み焼き店では…
【お好み焼き店の店主】「7月の(売上げ)分は丸々入ってこないだろうと言われています。やっぱ100(万円)から150(万円)ぐらいの間じゃないかというふうに今考えてます」
これまでも「全東信」の担当者に問い合わせをし、9日にも電話をしましたが…
(電話)「お留守番サービスに接続します」
【取材レポーター】「もう、すぐ留守電に」
【店主】「即」
(電話)「ただいま録音件数がオーバーしているため、伝言をお預かりすることができません」
【取材レポーター】「容量オーバーで…」
【お好み焼き店の店主】録音件数多いっていうことだからもう多分相当数の電話がもう殺到しているんじゃないですか。
いっこうに繋がらない電話。
9日までに、「全東信」側から届いたのは、破産の「通知書」だけ。
そこには「現時点で当社として具体的な対応方針等をお伝えする段階にはございません。」と書かれていました。
途方に暮れる飲食店。
また、都内にある別の店では、グループ7店舗で、未入金の合計額が数百万円にのぼるといいます。
■ジャーナリストが指摘する「連鎖倒産」の危険性 そもそもなぜ全東信は倒産に…
この前代未聞の事態に、フードジャーナリストは…
【フードジャーナリスト・山路力也さん】「お店によっては、こう連鎖倒産みたいになる可能性も。クレジットカードの利用率が高いような飲食店にとっては死活問題なので」
入金が止まり、資金繰りが悪化した飲食店が倒産するケースも出てくる恐れがあるといいます。
なぜ、20万もの加盟店を抱えた「全東信」が倒産となってしまったのでしょうか?
■徐々に見えてくる「全東信」の歪な経営
【フードジャーナリスト・山路力也さん】「そのお店と契約していいかっていう部分においてですね、全東信の場合は比較的そこの審査っていうのも緩いっていうふうに言われていてですね、結構ギリギリなというか、グレーな契約をしていた」
山路さんによると、全東信は契約する際の審査のハードルが低く、加盟店を増やしていたといいます。
2年前には…
【フードジャーナリスト・山路力也さん】「要はぼったくり営業していったようなお店とかですね、通常の審査では通らないようなところに架空の契約をしてですね。」
いわゆる“ぼったくり行為”などで摘発された飲食店に、決済端末を違法に設置したなどの疑いで、元社員らが逮捕されました。
その後、銀行などからの信用が低下し、資金繰りが悪化していたといいます。
■長年の粉飾決済の可能性も浮上 混乱はどこまで…
また、「全東信」は、20年も前から、預金残高の水増しや架空債権などによって、不正に「業績が良い」と見せかける粉飾決算をしていた可能性があるというのです。
【フードジャーナリスト・山路力也さん】「クレジットカードの決済を代行してもらうってことはもう信用なんですよね。赤字の会社とは契約は結ばないと思うんですよ。だから、それはもう帳面上を黒字にしておかなければ絶対にいけなかった」
飲食店など加盟店への未払い立替金はおよそ217億円にのぼっています。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年7月10日放送)
