社長を名乗る人物からのメールで経理担当者を巧みに誘導し、会社の口座から金銭をだまし取る「ニセ社長詐欺」が、鹿児島県内でも被害を生んでいる。6月だけで2件、合わせて1550万円もの被害が確認された。
LINEグループへの誘導から始まる巧妙な手口
県警によると、6月中旬、県内企業の経理担当者のメールアドレスに、社長を名乗る人物からメッセージが届いた。内容は「業務プロジェクトに対応するためLINEグループを作るので、グループ招待用のQRコードを送ってほしい」というものだった。
担当者がQRコードを送信すると、今度は「先方への支払いがある。口座を送るから会社の口座から手続きをしてほしい」と指示が来た。社長からの業務連絡と信じた社員は、6月中旬から下旬にかけて計3回、指定口座に合計550万円を振り込んだ。
さらに6月下旬には、県内の別の企業でも同様の手口で1000万円がだまし取られる事件が発生している。

2026年5月から被害が続く
この手口による詐欺は、2026年5月から鹿児島県内で確認されており、被害は拡大傾向にある。メールやSNSを使った指示は一見すると正規の業務連絡と区別がつきにくく、経理担当者が疑いを持ちにくい点が特徴だ。

県警が呼びかける3つの対策
県警は企業に対し、次の点を徹底するよう呼びかけている。
- 会社内の送金に関するルールを改めて確認する
- SNSグループへの参加を指示された場合は、送信元が本人かどうか必ず別の手段で確認する
- 不審なメッセージを受け取った場合は速やかに上司や社内の関係者に相談する
メールやLINEだけで完結する送金指示には、細心の注意が必要だ。少しでも不審に感じたら、電話など別の手段で直接本人に確認する習慣が、被害を防ぐ最大の防御策となる。

