天皇皇后両陛下は、6月20日から26日までベルギーを公式訪問されました。
国王夫妻と旧交を温めたほか、愛子さまと同い年のエリザベート王女をはじめ4人の子どもたちとも親交を深められました。
シエルニョン城で国王一家との親交深められる
天皇皇后両陛下は、6月20日、オランダへの公式訪問に続き2カ国目の訪問先ベルギーに到着されました。
空港では、フィリップ国王夫妻の長女で王位継承順位1位の、エリザベート王女の出迎えを受けられました。
愛子さまと同い年で、国賓を迎える公務はこれが初めての王女。
20年前、オランダで静養したときに王女と会っている両陛下は、再会を喜ばれました。
国王夫妻の招待で、王室の別荘「シエルニョン城」に滞在された両陛下。
到着翌日には、フィリップ国王とマチルド王妃が城を訪れ、両陛下を歓迎しました。
4人の子どもたちも揃って、豊かな自然に囲まれた庭で夕食をとり、家族ぐるみの親交を深められました。
翌日、国王一家が住む首都ブリュッセルの「ラーケン宮」に移動された両陛下。
陛下はこれまで何度か宿泊していますが、皇后さまは初めてで、国王夫妻の案内で王宮内を見て回られました。
歓迎式典後 子供たちとの交流も
23日、両陛下はブリュッセルの王宮前広場で国賓として歓迎式典にご出席。
多くの人が見守る中、陛下は国王と共に儀仗隊の前を進み、栄誉礼を受けられました。
続いて、足を運ばれたのは世界遺産に登録されている広場「グラン・プラス」。
広場に面したゴシック様式の市庁舎のバルコニーに出て、国王夫妻と共に集まった多くの人の歓声に応えられました。
この後、市庁舎の中庭で日本人学校に通う子どもたち約50人や地元の小学生などと交流されました。
「何の科目が好きですか」と尋ねられた陛下。皇后さまも英語とフランス語と日本語で言葉を交わされました。

皇后さま:
何年生?
男の子:
中学3年生です。
マチルド王妃:
将来は何になりたいですか?
男の子:
政治家です。
皇后さま:
ベルギーで?
男の子:
そうです。
マチルド王妃:
将来 またお会いするかもしれませんね。

日本語のやりとりは両陛下が国王夫妻に通訳しながらふれあいを楽しまれました。
「四世代にわたるご縁」
この日の夜、両陛下を歓迎する国王夫妻主催の晩さん会が催されました。

エリザベート王女など国王の4人の子どもたちも、国賓を迎えた晩さん会に初めて出席しました。
国王はスピーチの冒頭で「天皇陛下、皇后陛下、ようこそベルギーへお越しくださいました」と日本語で挨拶。
両国について「世界で最も緊密な関係の一つ」「私たちの日本に対する敬愛の念は、心からの真摯なものです」と述べました。

陛下は両国の交流の歴史を振り返り、皇室とベルギー王室が昭和天皇から4世代にわたり、ほぼ同い年であることに触れ「フィリップ国王陛下と私は1960年の同い年の生まれ、更にはご長女のエリザベート王女殿下と私たちの長女の愛子が2001年生まれの同い年であるという、四世代にわたるご縁に近しさを感じています」と述べられました。

140年以上にわたるベルギー王室との交流。
戦後初めて国賓として来日したヨーロッパの国王がベルギーのボードワン国王でした。
このとき、3歳の陛下も国王とお会いになっています。
昭和46(1971)年、昭和天皇と香淳皇后がヨーロッパを歴訪。天皇として初めて公式訪問した国がベルギーでした。
ベルギー王室と特に親しく友情を育まれたのが上皇ご夫妻です。
平成5(1993)年にボードワン国王が亡くなった際、天皇皇后として初めて海外の王室の葬儀に参列されました。
また、陛下もイギリス留学時代からたびたびベルギーを訪問されていて、皇太子としての初海外公務もベルギーだったという縁があります。
当時皇太子だったフィリップ国王の結婚式には皇后さまと揃って参列し、即位の礼には国王夫妻が出席するなど交流を重ねてこられました。
愛子さまも、20年前、エリザベート王女と二人の王子にオランダで会われていて、交流は世代を超えて続いています。

晩餐会で陛下は「今回の私と皇后の貴国への国賓訪問を通じて、長きにわたって続く交流の歴史に、新しい1ページを加えることができることをうれしく思います」と述べ、乾杯されました。
第一次大戦後、日本から寄贈された書籍
滞在中、陛下は創立600年を迎えたオランダ語系「ルーベン・カトリック大学」を訪問されました。
ベルギーで最も古い、日本ともゆかりのある大学です。

大学の図書館は第一次世界大戦で全焼。大正10年、ヨーロッパを歴訪した皇太子時代の昭和天皇もその焼け跡を視察し、心を痛めたといいます。
その後、日本からおよそ1万4000冊の書籍が寄贈され、今もフランス語系「ルーヴァン・カトリック大学」に奇跡的に残っています。
陛下は当時の写真や、宮内省から寄贈された日本書紀など貴重な書物を見学されました。
“次世代への橋渡し”
滞在最終日。国王夫妻と共に王宮の庭園を散策された両陛下。
世界中の植物を集めた温室などを見て回り、和やかなひとときを過ごされました。

そして国王夫妻の温かいもてなしに何度もお礼を伝え、別れを惜しまれました。
オランダ・ベルギーでの滞在について陛下は「オランダ、ベルギー、両国とも行く先々で、皆さんから本当に温かく迎えていただいておりまして、これに対しても本当に心から感謝したいと思います」と振り返られました。

また、王室との旧交を温められたことも喜ばれました。
「王室の施設に泊めていただいたことによって、より深く王族の方々とお話しすることができたように思いますし、非常にくつろいだ雰囲気の中でいろいろ交流をすることができたことによって、お互いの親密度がより深まったのではないかというふうに思っております。お子さま方ともいろいろ話ができて交流を深めることができたことによって、次の世代への橋渡しができたのではないかというふうに思っております」

両陛下は2週間の公式訪問を終え、6月26日に帰国されました。
(「皇室ご一家」7月5日放送)

