秋田・能代市に、元保健室の先生が営むカフェが誕生した。名は「喫茶 休みじかん」。コロナ禍で失われた“人と話す時間”の大切さに気づいた店主が、誰もが気軽に立ち寄り、心を休められる居場所を目指す。子供たちに寄り添ってきた経験が、今は地域の人々の交流を支えている。

保健室から地域の居場所へ

喫茶 休みじかん(秋田・能代市)
喫茶 休みじかん(秋田・能代市)
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能代市の住宅街にひっそりとたたずむ「喫茶 休みじかん」。

店主の安部忍さん(62)は、かつて県内の小中学校で39年間、保健室の先生として働いてきた。

けがや体調不良の対応だけでなく、子供たちの悩みに耳を傾ける場でもある保健室。安部さんにとっても、多くの児童・生徒と向き合う大切な場所だった。

コロナ禍で感じた“会えないつらさ”

転機となったのは新型コロナウイルスの流行だった。

養護教諭として勤めていた頃の安部さん
養護教諭として勤めていた頃の安部さん

安部さんは「最後の勤務校でコロナが流行して、行事はなくなるし給食は黙食になるし、そんな子供たちを見ているのがすごくつらくて見ていられなかった」と、当時を振り返る。

人と人が直接向き合えない状況の中で、何気ない会話の大切さを改めて実感したという。

「ちょっと話せる場所」をつくりたい

1階のカフェスペース
1階のカフェスペース

その思いを形にしたのが、自宅を改修して開いたこのカフェだ。

2026年1月にオープンした店は、「ちょっとお話できる場所」がコンセプト。

1階は家庭的な料理や焼きたてのワッフルを楽しめるカフェスペース。

2階のレンタルスペース
2階のレンタルスペース

2階には「会議室」や「視聴覚室」など、学校をイメージしたレンタルスペースを備え、幅広い世代が集える空間となっている。

手作り料理と心地よい時間

料理は安部さんの独学。中でも人気なのがハンバーグランチだ。

人気の「ハンバーグランチ」1300円(税込み)
人気の「ハンバーグランチ」1300円(税込み)

サラダに煮物、一度に色々な味が楽しめるプレート。メインのハンバーグは、ふわふわでジューシー。ソースは甘めで、ハンバーグのうまみが引き立てられるとても味わい深い一品だ。

どこか懐かしい家庭の味が、訪れる人の心を和ませる。

“話を聞く力”がつくる安心感

店を訪れるのは家族連れや友人同士、赤ちゃん連れの客まで様々。

赤ちゃん連れの客も
赤ちゃん連れの客も

「安部さんは人の話を聞くのが上手な人」
「靴を脱いで上がれるので、子供が下に座っても大丈夫なのでとても良い」

利用客からはそんな声も寄せられる。

保健室の先生として培った“話を聞く力”が、訪れる人に安心感を与えている。

休み時間のような自由なひととき

「ちょっと話したり心を休めたりする居場所になれば」と話す安部さん(左)
「ちょっと話したり心を休めたりする居場所になれば」と話す安部さん(左)

店名に込めた思いについて、安部さんは「休み時間は子供たちが好きなことをする時間。本を読んだり遊んだり、保健室に話しに来たり自由な時間なので、ここも同じように、ちょっと心を休めたり、話したり、そんな居場所になってほしい」と語る。

オープンから約半年。

「喫茶 休みじかん」は、地域の人々にとって、ふと立ち寄り心をほどけるもう一つの居場所になりつつある。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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