元劇団四季所属の俳優・野口雅史(38)さんがSNSで「舌がん」であることを公表しました。
「舌がんとリンパへの転移も濃厚」「現実は厳しいものとなりました」と心情をつづっています。
タレントの堀ちえみさんも、2019年にステージ4の舌がんを公表。舌の6割以上を切除する大手術を受けましたが、リハビリを経て歌手活動に復帰しています。
舌がんは、初期段階では口内炎のように見えるため、放置されやすいのです。
初期に発見するために私たちに出来ることはあるのでしょうか。
今回、中嶋麻優子医師(中島歯科クリニック 副院長)の監修で、舌がんについてまとめました。
早期発見へセルフチェック
舌がんは、口腔がんの1つです。口腔がんとは、口の中およびその周辺組織に出来るがんのことですが、舌がんの発生頻度がもっとも高く、口腔がんの約60%を占めています。

実は、舌がんなどの口腔がんは、肉眼で観察でき、手指で触診できるのが大きな特徴です。
しかし実際は、口内炎だと思って放置してしまい、がんが進行してから受診するケースが少なくありません。
以下のポイントで、口腔がんのセルフチェックをしてみてください。
【口腔がんセルフチェック】
①口の中に硬い“しこり”がある
②口の中に出血しやすい場所がある
③3週間以上治らない口内炎や潰瘍がある
④抜糸のあとが治らない
⑤口の中や唇にしびれがある
⑥口の中が腫れて、入れ歯が合わなくなった
⑦口の中に白い部分または赤い部分がある
⑧口臭があると言われた
⑨原因不明の歯のぐらつきがある
⑩首のリンパ節の腫れが3週間以上続いている。
特に、「2週間以上治らない口内炎」がある場合は注意が必要です。
もし3週間以上が経過しても全く改善しない、あるいは悪化しているような場合は、放置せずに、口腔外科などの専門病院の受診をお勧めします。
また、舌や歯肉の一部が白くなる白斑…「白板症」や、赤くなる紅斑…「紅板症」にも注意が必要です。
「白板症」の5〜20%、「紅板症」の約50%が、将来 口腔がんになると言われています。
初期は口内炎に似ている
舌がんの典型的な症状は、舌の両側の縁の部分に出来る硬い“しこり”です。舌の表面中央や先端に出来ることはほとんどありません。

それが、歯にあたるなどして、出血や痛みを伴うこともあります。
ただ、初期は口内炎に似ているため、正確に見極めることが難しい場合もあります。
少しでも気になる場合は、自分で判断せず、歯科医院などで一度診てもらうことをおすすめします。
がんが進行すると、病変が潰瘍になり、持続性の痛みや出血、強い口臭といった症状が現れます。
さらには、咀嚼(かむ)や嚥下(のみこみ)、発音が障害されるほか、口が開けづらくなったりします。
歯のトラブルも原因に
舌がんは、喫煙・飲酒・口腔内の不衛生などが危険因子となります。
また、とがった歯や歯のかぶせ物、合わない入れ歯などによる慢性的な刺激も原因となることがあります。
舌がんは20代の若い方でも発症するという特徴を持っています。最近は女性も増加傾向にあります。

気をつけなくてはならないのは、早期の舌がんでも、首のリンパ節にがんが転移してしまい、急激に進行するものがあることです。
これは、舌が血液とリンパの流れがよい部分のため、その流れに乗って、がん細胞が頸部へと運ばれやすいからです。
頸部のリンパ節に転移すると、リンパ節が腫れるといった症状も出ます。
切除した舌を、別の部位で再建
治療は、一般的には手術療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法を、単独あるいは組み合わせて行います。
最近では、手術療法を第一選択として行う施設が多くなってきています。
舌がんの場合、手術で舌や顎骨などを切除します。
タレントの堀ちえみさんは、舌の6割以上を切除する大手術を受けたと公表しています。
進行がんでは手術による欠損部位が大きくなるため、咀嚼障害、嚥下障害や構音機能の低下などの後遺症を残すことがあります。
そうした場合は、患者さんの腕やお腹などの皮膚や脂肪・筋肉、人工材料などを用いて、欠損部の再建を行い、術後の機能の低下を出来るだけ抑えるようにします。
舌がんの切除・再建手術のあと、話すことや食事、飲み込みの機能がどれくらい回復するかは、舌をどれくらいの範囲(大きさ・深さ)切除したかによって大きく変わってきます。
舌の半分以上、または全部を切除した場合は、時間はかかりますが、リハビリを重ねることで、十分に聞き取れるレベルの会話や口から食事をとれるようになることも可能です。

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