2026年4月、鹿児島県阿久根市沖の海底から引き揚げられた日本海軍の戦闘機「紫電改」。その記録映像の上映会が出水市で開かれ、予想をはるかに超える900人以上が詰めかけた。「感動して涙が出た」——会場に集まった人々の声が、この出来事の重みを物語っている。

会場を急遽変更、それでも900人超が来場

上映会は出水市のマルマエホール出水で行われた。当初は400人規模の会場での開催を予定していたが、問い合わせが相次いだため、約1000人を収容できる同ホールへと急遽変更された。それでも会場には900人を超える来場者が集まり、地域の人々の関心の高さを示した。

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主催した「北薩の戦争遺産を後世に遺す会」の肥本英輔会長は「大変、大勢の人に来ていただいた。開催して良かったと安堵している。非常に良かったという人が多くて、本当に良かったと思う」と語った。

3年越しの活動、そして9トン超の重量

上映された映像は、3年に及ぶ活動の記録だ。海底での事前調査から、引き揚げ当日に4時間を超えるクレーン船での作業を経て機体が海面に姿を現す瞬間まで、その道のりが収められていた。

映し出される紫電改
映し出される紫電改

引き揚げられた紫電改は、阿久根市沖約200メートルの海底に81年間沈んでいたものだ。回収にあたっては想定外の事態も起きた。「機体の重量が、想定外だった。3トン程度と見積もっていたが9トンを超えて砂がぎっしり詰まっているようだ」という関係者の言葉が、作業の困難さを伝えている。

世界に5機、国内では貴重な現存機

紫電改は現存するものが世界で5機、国内では今回の機体を除くと他に1機という非常に希少な戦闘機だ。会場には、この機体を操縦していた林喜重大尉の資料なども展示され、訪れた人々は戦争の貴重な遺産としての紫電改に思いをはせた。

来場者からは「引き揚げに一生懸命になっている方は良い仕事をしていると思う」「(沈んでいたのは)主人とキス取りをしていた場所。引き揚げられた時がすごいビックリした。感動して涙が出た。すばらしかった」といった声が聞かれ、機体への個人的な記憶や感情が交差する場となった。

現在は塩分除去の処理中、毎週土曜に公開も

引き揚げられた紫電改は現在、長年海中にあったことで染み込んだ塩分を取り除く処理が行われている。この作業は今後1年ほど続く見通しだ。

処理期間中も、毎週土曜日の午後には一般公開が行われており、解説も実施されているという。81年の時を経て海底から蘇ったこの機体は、鹿児島の戦争遺産として、これからも多くの人々に語り継がれていくことになる。

【動画で見る▶「紫電改」引き揚げまでの記録を上映 戦争遺産の姿を実感【鹿児島】】

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鹿児島テレビ
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