高額献金などが問題となった旧統一教会への解散命令請求について、最高裁は、一審、二審の解散命令を支持し、教団側の特別抗告を退けた。

憲法で保障されている「信教の自由」を侵害しているか否かが争点となった最高裁の決定を詳報する。

要旨は以下の通り。

【教団の主張】
地裁、高裁の解散命令は、教団およびその信者らの宗教活動の自由並びに宗教的結社の自由を侵害し、憲法20条1項、21条1項に違反する。

【解散命令について】
宗教法人法の解散命令の事由である「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」の趣旨は、宗教法人を強制的に解散し、その法人格を失わせることが可能となるようにすることにある。
民法709条の不法行為は、解散事由の「法令に違反」に当たる。

【信教の自由と規制】
解散命令は、宗教法人の法人格を失わせる効力を持つにとどまり、信者の宗教上の行為を禁止したり制限したりする法的効果はない。
解散命令が確定すると宗教法人の財産などが処分され、信者らの宗教上の行為に支障を生ずることがあり得る。
憲法の保障する信教の自由の重要性に思いを致し、憲法がそのような規制を許容するものであるかどうかを慎重に吟味しなければならない。

【解散命令の事由】
教団の信者らは、1973年から2022年まで、不法行為に該当する献金の勧誘行為を継続的に行い、多数の人に極めて多額に上る財産的、精神的損害を与えた。
これらの不法行為は、教団の組織的な関与の下に行われたものである。
教団が「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」ことは明らかだ。
原審の事実関係によれば、教団は実効性のある防止措置をとっていない。今後も数値目標を定めて献金の勧誘を行うよう信者らに求める恐れがある。

【憲法に違反するか否か】
解散命令によって教団や信者らの宗教行為に支障を生ずるとしても、その支障は、間接的で事実上のものにとどまる。
また、解散命令は法人格を失わせる効力を持つにとどまり、法人格を持たない宗教団体として存続することは妨げられない。
解散命令が宗教的結社の自由に及ぼす影響についても、同様に間接的で事実上のものである。
したがって、この解散命令は宗教団体である世界平和統一家庭連合や信者らの精神的、宗教的に及ぼす影響を考慮しても、教団の行為に対処するために必要でやむを得ないものであるということができる。
以上によれば、憲法20条1項、21条1項に違反しない。

●憲法20条1項 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

●憲法21条1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

(社会部司法クラブ・野﨑智也)

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