いつ起きてもおかしくないと言われる、「富士山の噴火」。
政府による富士山の噴火を想定した降灰シミュレーションでは、都内で除去が必要な火山灰の量は約1億2000万立方メートルにのぼり多摩地域をはじめ、23区部の大部分で2~10㎝以上の火山灰が降るとみられている。
降灰の影響で、交通インフラ・ライフライン・健康など、さまざまな影響を及ぼすことが予測されているが、あまり知られていないのが、「下水道管がつまり、トイレが使えなくなる恐れがある」ということだ。
噴火後に、雨が降るなどして下水道管に火山灰が流入すると、なかで固まって管を詰まらせてしまうのだ。
これまでは水圧による高圧洗浄が効果的とされてきたが、災害時には給水制限や断水などで、高圧洗浄ができなくなる恐れもある。
そこで、東京都下水道局が開発したのが、「水を使わないで火山灰を除去できる技術」だ。
下水道の耐震化工事で使っている切削機に、火山灰を除去する「オーガー」と呼ばれるドリルを取り付けて、火山灰を除去できるようにした。
7年ほど前から開発に着手し、2024年に完成。
今後、降灰シミュレーションをもとに下水道への具体的な影響や対応策について検討を進めていく予定だ。
開発された装置は、マンホール内で作業ができることや既存の機械を使うためコストを抑えられ、また、作業員が使い慣れていて安全面でも高いことなどが評価され、2025年、防災・減災部門で国土交通大臣賞を受賞した。
東京都下水道局は、「われわれが開発した技術がほかの自治体でも抱えている課題解決に貢献できるよう技術開発を引き続き進めていく」としている。