日本サッカー史上屈指の天才・小野伸二さんが、現日本代表の核を担う天才・久保建英選手の胸中に迫るスペシャル対談。

これまで幾度となく跳ね返されてきた、ワールドカップ(W杯)ベスト8の壁。次こそはその壁を打ち破り、「W杯優勝」という最高の景色へ――。

そんな究極の高みへとたどり着くために、今の日本代表に必要な鍵となる力とは何なのか、聞きました。

「ちょっと変な焦りがある」25歳を迎える久保の素顔

対談が行われたのは、久保選手の誕生日の直前。番組からの早めのバースデープレゼントとしてフラワーボックスが贈られると、久保選手はピッチ上とは違うリラックスした表情を見せました。

フラワーボックスを手に喜ぶ久保選手
フラワーボックスを手に喜ぶ久保選手
この記事の画像(6枚)

久保建英:
おー、めっちゃオシャレ。ありがとうございます。嬉しいです、はい。こういうのもらったことないんで。

 若き天才として10代の頃から注目され続けてきた久保選手ですが、25歳という年齢に対しては、中堅選手ならではの特有の心境を抱いているようです。これからのキャリアを見据え、素直な焦りを口にしました。

久保建英:
25歳っていうと、もはやなんか30の方が近いんじゃないか、みたいな、ちょっと何か変な焦りみたいのがありますね。

W杯優勝への鍵① 過去イチのチーム力

2025年10月にサッカー王国ブラジルを初めて破り、2026年4月にはサッカーの母国イングランドのアウェー戦で歴史的金星を挙げた日本代表。W杯を目前に控え、チームのムードは最高潮に達しています。

 チームについて語る久保選手
 チームについて語る久保選手

小野さんから現在のチームの雰囲気について尋ねられると、久保選手はこれまでにない手応えを語り始めました。

久保建英:
雰囲気に関しては多分、歴代の日本代表の雰囲気はわからないですけど、カタール大会と比べても過去イチだと思いますね。年齢が近い人が、過半数まではいかないですが、人数を占めていると思うのですが、みんなすっごい仲良くて。あとは、それを支えてくれるベテランの選手たちがすごく気さくで、10年前15年前だったらあり得ないようなことも多分こっち側から言っちゃったりもしてるくらいです。

そんな風通しの良い関係性を象徴するのが、ベテラン長友佑都選手とのやり取りです。カメラに向かって「ブラボー!」と叫ぶ久保選手に、長友選手が「ブラボーじゃねぇよ!」と笑顔で突っ込むような、先輩後輩の垣根がない最高の空気感が生まれています。久保選手はそのメリットをこう分析します。

久保建英:
すごく色々許してもらってる分、こっちも素を出せるっていうのがあって、雰囲気はめちゃくちゃいいのかなと思いますね。

この「若手とベテランの融合」という良い空気感は、小野伸二さん自身もかつて身をもって経験したことのあるものだと言います。2002年の日韓W杯を振り返りながら、小野さんは今の代表に力強い共感を寄せました。

小野伸二:
僕たちも2002年のワールドカップの時も多分そんな雰囲気で、一回り上ぐらいの、ゴン(中山雅史)さんとか、秋田豊さんとかいた時も、同じような感じで、ベテランが自分たちの若い勢いをうまく吸収してくれた。

いい流れを作ってくれて試合が円滑に進むためのいい準備をさせてくれたなっていうのはすごく感じていて。多分今それをすごく、練習の中もそうですし、ピッチ外でも多分すごく感じてるのかと思います。

試合に対しての準備の仕方が、非常にうまくいってるんじゃないかと思うし、チームの雰囲気が本当に素晴らしいんだなっていうのはすごく感じますね。

W杯優勝への鍵② 試合をひっくり返す力

最高の景色へたどり着くためのもう一つの鍵。それは、これまでの常識を覆すような「ひっくり返す力」にあります。

小野伸二さんと久保建英さんの真剣な対談
小野伸二さんと久保建英さんの真剣な対談

小野さんから「今感じる日本の強さはどんなところにあるか」と問われた久保選手は、今のチームが持つ強固なメンタリティについて明かしました。

久保建英:
あんまりうまくいってない時に、負けてる時だったり特に、試合をひっくり返せる力が今の日本代表にあるなと思っていて。ブラジルとか強敵相手に勝ちを収めたりとか、試合をひっくり返してることで、追いついたりっていうのもありますし。

その象徴となったのが、2025年10月のブラジル戦です。前半だけで2点を先制される苦しい展開の中、ハーフタイムのロッカールームでは森保一監督が「もう一回ハードワークするところを見せる」と鼓舞し、南野拓実選手が「まだ死んでない、1点取れば絶対変わる」と声を掛け合っていました。

決して下を向かないマインドが後半の反撃を生み、南野選手、中村敬斗選手、そして上田綺世選手のゴールで大逆転勝利を収めました。久保選手はこの心理的余裕こそが強みだと語ります。

久保建英:
選手が2対0、1対0で負けてても全然諦めることなく、上を向いてプレーできる、ポジティブな気持ちでプレーできるっていうのはすごく大きいのかなと思います。

久保の戦術眼で流れを変えたアイスランド戦

この「ひっくり返す力」は、選手個々の高い判断力によっても支えられています。2026年5月の壮行試合(アイスランド戦)で、久保選手が見せた柔軟なポジションチェンジについて、小野さんが切り込みました。

質問を投げかける小野伸二さん
質問を投げかける小野伸二さん

小野伸二:
いつもの右サイドっていうより左サイドでのプレー回数がなんか多かったような気がするんですけど、なんか自分の中でこだわった部分っていうのは何かあったんですか?

 久保建英:
ゲームスタート時はそんなつもりはなかったですけど、途中からやっぱり崩しきれない時間帯が続いたことで、何か変化をつけたいなっていうのがあって。相手が同サイドに結構人数をかけてくることが多かったので、もう1枚プラスで逆サイドから入ってくる必要があるなっていうの考えてて、自分で動いたって感じですかね。

自らの判断で悪い流れをひっくり返す。世界を知る選手たちの高い経験値が、今の日本の大きな武器です。小野さんもその質の高いプレーを絶賛しました。

小野伸二:
相手の嫌がることをしようっていうその意識がすごくあったなと思うし、その数的優位を作りながら、相手の困るポジショニングを取って自分たちに有利なボール運びをしてたように見えたので。

 久保建英:
引かれた時にも崩しきれるのが多分世界のトップオブトップだと思うので、僕たちもしっかり引いた相手でも崩し切って前半で2点3点取れるような戦い方も模索していかなければいけないなとは思いました。

「今まで積み上げたコンセプトを信じて…」ワールドカップに向けた久保の決意

年齢や立場に関係なく一致団結する「過去イチのチーム力」。そして、不屈の精神と個の戦術眼で苦しい状況を打開する「ひっくり返す力」。この二つが重なり合った先に、まだ見ぬ最高の景色が待っています。

カメラに向かって笑顔の小野伸二さんと久保建英選手
カメラに向かって笑顔の小野伸二さんと久保建英選手

対談の最後、小野さんはこれまでの歩みに太鼓判を押し、久保選手へとエールを送りました。

 小野伸二:
まあ土台はしっかりできてると思うし、今チームの雰囲気もいいと思うので、積み上げてきたもの、そのまま開幕戦にぶつけていただけたら、きっといい結果が生まれると思います。

その言葉を真剣な表情で受け止めた久保選手。日本中の期待を背負い、大会へ向かう決意を力強く語り、対談を締めくくりました。

久保建英:
みんなが同じサッカーできるっていうのは日本の強みだと思うんで、大会までにより練度みたいなものを上げていきつつ、コンセプトは今まで積み上げたものがあるのでそれを信じて頑張りたいなと思います。

FIFAワールドカップ2026
全10試合 フジテレビ系列で生中継!