8日午前、フィリピン付近を震源とするマグニチュード8.2の巨大地震が発生した。地震に伴い宮崎県内に発表された津波注意報は、宮崎港で最大30センチの津波を観測したのち、午後5時前に解除された。揺れを伴わない「遠地(えんち)津波」に対し、沿岸部の小学校では戸惑いながらも児童が避難を開始した。専門家は、海外での地震による津波は到達まで時間的猶予があるとして、冷静な行動を呼びかけている。
宮崎県内で最大30センチの津波を観測
8日午前8時38分ごろ、フィリピン付近でマグニチュード(M)8.2の地震が発生した。
気象庁は午前9時すぎに宮崎県内にも津波注意報を発表。津波は日南市油津で午後3時17分に10センチ、宮崎港で午後4時46分に30センチを観測した。気象庁は午後4時50分に注意報を解除し、県内5市5町に出されていた避難指示もすべて解除された。
揺れなき避難に戸惑う小学校の現場
海岸から約600メートルの距離に位置する日南市立大堂津(おおどうつ)小学校では、注意報の発表を受けて児童が校舎裏の高台へ避難した。
大堂津小学校 酒匂美貴子校長:
今、津波速報が出ています。どきどきしたかもしれませんが、皆そろっていますので次の情報を待ちます。よろしいですね。
大堂津小学校の酒匂美貴子校長は、当時をこう振り返る。
大堂津小学校 酒匂美貴子校長:
最初は突然のサイレンだったので「きょうは訓練の予定はなかったよね」とまず確認をして、そこからスマホで情報を見たら、全国的に津波注意報が出ていると分かった。
大堂津小学校 酒匂美貴子校長:
その時、地震の情報は何もなかったが、そこから情報を得て避難となると、大堂津小は海と川に囲まれている場所なので、とにかく子供たちをいったん避難させて手から情報をつかもうということで避難を先にさせました。
こうして避難した先の学校裏の高台には、15分間ほど留まり続けたという。
大堂津小学校 酒匂美貴子校長:
子供達も不安そうでした。高学年の女子は少し涙をうるませているような状況もあったので、次の情報が出るまで、ここでみんなで待ちますよということで。
次に得た情報が、津波の到達予想時刻が午後0時半だった それをもとに、職員と一旦学級に戻そうとなった。
その後は、海沿いの地域に自宅がある児童が多く、すぐに高台への避難ができる学校が安全だと判断し、通常通り授業を続けた。
大堂津小学校 酒匂美貴子校長:
普段の訓練では、地震の後に津波、という流れでの訓練をしていた。「こういうパターンもあるんだ」ということで、子供たちの命を預かっている立場として、ブラッシュアップした訓練を考えていきたい。
遠地津波への冷静な対応と備え
海外の地震によって引き起こされる「遠地津波」について、宮崎公立大学の山下裕亮准教授は、「太平洋を渡って到達するまでに時間的猶予があるのが特徴だ」と指摘する。
山下准教授によると、海や川、低地からは速やかに離れる必要があるが、解除までに時間を要するため、慌てて設備のない避難階段などに留まり続ける必要はないという。
山下准教授は、情報を確認した上で、公共施設など環境の整った高い場所へ一時避難することを推奨している。海外で発生した地震の場合、日本国内での揺れがないため油断が生じやすいが、しっかりと準備を整えて落ち着いて行動することが重要だと強調した。
(テレビ宮崎)