上空から救助・救急・火災防御・災害応急などを迅速に行う宮崎県の防災救急ヘリ「あおぞら」人々の安全を空から守り続けてきた初代「あおぞら」の就航から21年の時を経て、二代目となる新機体が導入された。最新鋭の機体でさらなる「救命率の向上」を目指す二代目「あおぞら」。一分一秒を争う救助現場のいまを追う。
どんな活動?防災ヘリ
宮崎空港の一角に、防災救急ヘリ「あおぞら」で活動を行う宮崎県防災救急航空隊の拠点施設「宮崎県防災救急航空センター」がある。

「あおぞら」は、県内各地の消防本部から派遣された8人の航空消防隊員と、パイロットや整備士など8人の航空運航員で運行されている。

「あおぞら」の活動は多岐にわたる。
・救助活動 …山岳遭難・水難事故などの捜索・救助など
・救急活動 …高度医療機関への転院搬送や救急搬送など
・火災防御活動 …林野火災等における空中消火など
・災害応急活動 …水害・地震等における他都道府県への応援など
宮崎県防災救急航空隊の中原寛幸隊長は「宮崎県は面積の7割以上が山林に囲まれているので、迅速に現場に急行し、傷病者の状態を確認、より迅速に高度医療機関に運ぶことが使命だと考えている」と話す。
21年あまり活動した初代「あおぞら」
2005年に就航した初代「あおぞら」は、21年3か月の間に2516回の出動、6000時間以上の飛行時間を重ねてきた。

初代隊長の日髙勝義さんは、「あおぞら」就航当時について「ヘリを見るのも触るのも初めてで、これで救助するのかと、あの時はすごく感動した」と振り返る。

元宮崎県防災救急航空隊・初代隊長 日髙勝義さん:
当時は山間部での救助は消防本部の救助隊が山を登り、要救助者を担架で担いで下ろしていて時間がかかっていた。「あおぞら」だと県内全域30分ほどで現場に到着し、数分で要救助者を機内に救助できる。県民を1分1秒でも早く安全・安心に救助し、医療機関に搬送するというのが一番の目的。
東日本大震災でも救助活動にあたった
「あおぞら」は、2011年3月、東日本大震災でも現場へ向かった。

津波に襲われた被災地の上空に到着すると、そこには未曽有の被害が広がっていた。

建物に取り残されて屋上にいる要救助者をみつけると、隊員がヘリから降下して1人ずつ救助していった。

初代「あおぞら」は、東日本大震災や熊本地震(2016年)など、様々な被災地へ出動し、被災者の救助や搬送などの支援活動を行ってきた。
二代目「あおぞら」最新装備備える
2026年4月、二代目「あおぞら」が就航。この日は「医師投入・揚収訓練」が行われた。訓練は、緊急性の高い事故や災害現場に、宮崎大学医学部附属病院の医師を「あおぞら」に乗せて搬送することで、1秒でも早く医療行為を行い、救命につなげることが目的だ。

二代目「あおぞら」は、最新の装備を搭載している。操縦席の計器類がデジタル化されたことで、パイロットは機体の状況をより正確かつ容易に把握できるようになり、飛行の安全性が向上。
また、機体下部に搭載されたヘリテレカメラ(ヘリコプターテレビ電送システムカメラ)が高画質な4K対応となり、現場の状況を鮮明な映像で確認でき、より迅速で的確な救助プランの策定が可能となった。

二代目「あおぞら」はエンジン性能の向上によりホバリングが安定。隊員や要救助者がヘリから吊られている際の揺れによる危険が軽減されている。

木々に囲まれた場所でも、要救助者の近くのポイントに到着。

そして、現場で医師が要救助者へ必要な処置を行う。

医師の処置が終わると、隊員が要救助者と医師を慎重にヘリまで連れて上がる。
訓練に参加した医師は…

宮崎大学医学部附属病院 高度救命救急センター 島津志帆子助教:
本当に医師が必要な事案は少ないと思うけど、こういった活動をする医師がいて、助かる命があるのであれば、やりたいなと思う。1秒を争う状態でという時は、やっぱり降りてでも処置をしたほうがいいのかなとは思う。

宮崎県防災救急航空隊 中原寛幸隊長:
バージョンアップされたこのヘリテレカメラやモニターを駆使して、今まで取れなかった情報が取れるようになってきたので、迅速に現場に急行して、傷病者の状態を確認して、より安全な活動につなげていければいいかなと思っている。
救助を待つ人々にとって、上空から聞こえる「あおぞら」の音は希望そのものだ。最新鋭の機体と、隊員や医師たちのたゆまぬ訓練によって、人々の安全はこれからも守られていく。「助かる命を必ず救う」という強い意志を乗せて、あおぞらは今日も大空を飛び続ける。
(テレビ宮崎)
