栃木・上三川町で起きた強盗殺人事件をめぐり、公開手配中の益田和彦容疑者(48)は、中国経由で東南アジアに逃亡したとみられています。
警察はすでに旅券返納命令を出すよう外務省に要請済みです。期限までに返納されなければ旅券は失効し、益田容疑者は潜伏先の国で不法滞在の状態となる可能性があります。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、元神奈川県警・捜査一課長の鳴海達之氏がこの事件について解説。
益田容疑者が「中枢に近い」存在で、海外逃亡も、より上位の人間が組織ぐるみで手助けしている可能性などを指摘しました。
■「海外に飛べ」 上役からの指令か
益田容疑者は、すでにこの事件で逮捕されている「指示役」とみられる竹前海斗容疑者(28)と同日、5月17日に海外逃亡を図っていました。
竹前容疑者は出国前に逮捕されましたが、益田容疑者は当時、氏名が判明していなかったため、そのまま出国したとみられます。
逃亡ルートについては、鳴海さんによると、「さらなる上役=組織が関与していた可能性がある」ということです。
そして海外逃亡させたということは、“主導約”。益田容疑者は、中枢に近い人物と見ています。となれば、益田容疑者が身柄が確保されたら、実態解明につながる可能性もあるいうことです。
【鳴海達之氏】「内情をよく知っているものであるとか、上位の者とよく精通しているとなると、組織の中枢になります。上の者から『海外に飛べ』という指令が出ているんだろうと思いますね」
■「使い勝手がいい」 逃亡先でも”仕事”をさせるつもりか
また「組織」が益田容疑者を海外に逃がした理由は、「捕まってしまうとまずい」という存在とみているだけではない、と鳴海氏は説明します。
【鳴海達之氏】「使い勝手がいいんでしょうね、組織の中で。逃亡先も彼らの拠点でしょうから、その拠点で特殊詐欺をやらせたりとか、そういうことで使えるんだから、『とりあえずその拠点に身を隠せよ』ということではないのかなと思う」
鳴海氏は海外逃亡にかかる費用については「国外逃亡するにはお金が必要ですから、そのお金はこの組織のほうが出しているわけですよね」と述べ、益田容疑者の逃亡を組織ぐるみで支援したとの見方を示しました。
■「ルパンやる?」窃盗示す隠語も強盗殺人事件に それでも鳴海氏は「計画性あった」
今回の事件で益田容疑者とすでに逮捕され、指示役とみられている竹前容疑者夫婦の間ではは、秘匿性の高いアプリを使ったやり取りをしていて、事件について「ルパンやる?」という言葉が使われていたということです。
また報酬については「1億円の40%」、4000万円を提示していたとみられます。
こうしたやりとりについて鳴海氏は、「ルパン」は窃盗の隠語と指摘し、「『ルパンやる?』なら泥棒やるんだなと(分かったと思う)」と説明。
その上で、「強盗は『タタキ』と言われている。『タタキやる』と言ったら、強盗をやるということ」と述べました。
この説明を受けて、番組の青木キャスターが「結果的には窃盗ではなく、強盗殺人事件になった。家に人がいたら、傷つけてでも、場合によっては殺めてでもやるという計画性があったと思うか?」と質問すると、鳴海氏は次のように答えました。
【鳴海達之氏】「元々計画性はあります。刃物も持っていますし、そのままバールで叩いてしまえば人は死んでしまいます。誰か在宅していたら、それでもやってこいという指示だったんだろうと思いますよ」
■「住宅に1億円…」本当にあろうがなかろうが…「“トクリュウ”独特の考え方」
さらにスタジオから「普通に考えれば、住宅に1億円がそのまま現金であるとは考えにくいが、それでも実行に移してしまうものなのか」という疑問が出ると、鳴海氏は「とにかく金になればいいとやってしまうのが“トクリュウ”独特の考え方」と答えました。
【鳴海達之氏】「こういう組織だから、『お金が入ってくればいくらでもいいからやってしまう』っていうことだろうと思う。
1億円あって、4000万もらえるっていう話があれば、こういう形で乗ってしまう人間はいる。
本当にそこにあろうがなかろうが、とにかく金になればいいんだということで、こういった事件をやるのは“トクリュウ”独特の考え方」
■「元の強盗殺人事件と海外逃亡中の益田容疑者 2本立てで固めないと事件は崩れる」
今回は新たに、リクルーター役とみられる18歳の少年も逮捕されました。この少年は実行役とみられる16歳の少年4人のうち2人と知人関係にあったといいます。
鳴海氏は捜査のポイントについて明確に語ります。
【鳴海達之氏】「今、目が向いているのは海外逃亡している益田容疑者ですが、元々の事件は強盗殺人ですから、この強盗殺人事件をしっかり固めないと、益田容疑者を逮捕したところで崩れるわけです。
元になってる強盗殺人をしっかり固めて、益田容疑者は海外の方と協力して追跡を進める。
2本立てでやっていかないと、事件は崩れてしまいますので、そこはしっかりやっていただきたいところです」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年6月1日放送)