「ヨーロッパではラーメンを学べる学校は見つからなかった。だから日本に学びに来たんだ」
ポーランドからはるばる大阪へやってきた男性。
母国でレストランの開業を控え、本場のラーメンレシピを身につけるために海を越えてきました。
うどん、そば、ラーメン…独自の進化を遂げて世界に発信されてきた日本の「麺文化」。
いま、その文化やレシピを日本で学ぼうとする外国人が増えています。
麺学校に通う人たちに密着しました。
■「教え子は3800人」東大阪の丸亀麺学校
東大阪市にある「丸亀麺学校」。
講師の松原比路美さんは、ミシュランガイドに掲載された九州のうどん店や、東京・中野にある食べログ百名店の常連店でも指導経験を持つ、この道約20年のベテランです。
これまでに教えた生徒は、なんと3800人にのぼります。
「うどん5日」、「ラーメン6日」のコースが人気なんだそうです。
短期間でも、麺・スープ・出汁・盛り付けと段階的に進み、最終的には「値段の取れる一杯」に仕上げるところまで導くのが麺学校のシステムです。
■ヨーロッパで“うどん店”を出店するために…
この日は、ヨーロッパでうどん店の開業を予定している中国出身の男性が麺作りの基礎を学んでいました。
【中国から来た生徒】「ここ数年、ヨーロッパでは日本料理がとても人気なんです」と話します。
さらに、ただ作り方を教えるだけではなく、店の経営ノウハウまで学べる点が海外からの受講生にも支持されています。
【講師・松原比路美さん】「生徒さんの目標を達成することに意義を感じています」
海外からの受講生は、ここで本場の技術を習得して、自国で“日本の麺文化”を広めていきます。
【中国から来た生徒】「今まで食べたうどんは袋詰めのものばかりだったから、できたてのうどんの食感に驚いたよ」
■「5日間のコース」でラーメン店を開店!人気も上々
海外の生徒だけではなく、国内から学びに来る人もいます。
福島県に住む岡田伸人さんは、妻とコンビニを経営していましたが、経営が思わしくなく、新しい事業としてラーメン店を選びました。
5日間のラーメンコースを受講したのが去年の9月。
わずか3カ月後には自分のお店をオープンし、人気も上々だそうです。
看板メニューは、自家製麺を使った鶏と和風出汁のスープで作る特製中華そば。
麺学校をきっかけに新たな道へ進むことができました。
■「いままでこのラーメンでお金もらってたんや」
すでにプロとして働く料理人が学びにくるケースもあります。
大阪市の東三国エリアで焼き鳥をメインにした飲食店を6年営む藪本学さんは、半年前に丸亀麺学校でラーメンづくりを学び、そこでマスターした塩ラーメンを提供してきました。
常連客からも「シメにいい」と好評。以前からラーメンはメニューにありましたが、麺学校に通ったことで考えが大きく変わったといいます。
【炭焼酒場 gaku 藪本学さん】「本格的に学ぶと、全然いままでとは違った。『いままでこのラーメンでお金もらってたんや』とちょっと恥ずかしくなるぐらい」
鶏ガラではなく“丸鶏ミンチ”で出汁を取る方法を教わったことで、出汁の深みも、仕込みの効率も大幅に改善されたといいます。
■「おいしくて笑ってしまった」新メニュー開発のために再び麺学校へ
そんな藪本さんが受講料を払ってまで再び麺学校へ戻ってきた理由は、夏に向けた新メニュー「冷やしラーメン」の開発でした。
松原さんの指導のもと、冷やし担々麺、醤油ラーメンとジャンルの違うレシピを次々に試作。スープの配合を何度も修正し、この日は9杯のラーメンをつくりました。
【講師・松原さん】「真剣な方ほどいろいろやってます。命がけです」
悩んだ結果、藪本さんが選んだのは、冷やし塩ラーメンでした。
【藪本さん】「結構試行錯誤しながらやってみたんですけど、塩を食べると自然に自分の中で笑ってしまったんで。それくらい美味しい」
美味しくて思わず笑みがこぼれる。そんな体験が、この一杯を選ぶ決め手になりました。
■新しい世界への一歩を支える場所
日本の麺文化に魅了され、海外から学びに来る人。麺づくりにハマったプロの料理人。
東大阪の麺学校には、さまざまな背景を持つ人たちが集まっていました。
粉と水と出汁に真剣に向き合う時間が麺学校にはあります。
この麺学校が、新しい世界へ一歩足を踏み込むきっかけになっていることが分かりました。
(関西テレビ「newsランナー」2026年5月27日放送)