2024年4月、北海道旭川市の神居古潭で当時17歳の女子高校生が橋から転落し殺害された事件。
5月27日の3回目の裁判では、すでに懲役23年の刑が確定している共犯の女が証人として出廷した。
裁判では、2人の食い違う主張に注目が集まった。
■“舎弟”の女 証人として一年ぶりに法廷へ
淡いブラウンのシャツと黒のズボン、髪を後ろで一つにまとめた共犯の女は、一礼をして入廷した。
そして落ち着いた様子で、背筋を伸ばし証言台に着席した。
続いて内田被告が入廷。
共犯の女は、ついたての先にいる内田被告の方には目を向けず、ただじっと前を見つめていた。
宣誓を行った後、裁判長に前回の裁判ですべての罪を認めたかと確認をされると、女はためらうことなく「はい」と返事をした。
話しは“舎弟”となったきっかけから、当日の状況の確認へと進む。
裁判の序盤では、弱々しい声で質問に答え、声の大きさを指摘される場面もあった。
■「私の前から一瞬で消えました」共犯の女が語ったこと
検察側の証人尋問は、事件現場となった神居大橋の上での出来事を中心に進んでいった。
「どうしたら許してくれますか」
何も身に着けていない状態で、橋の上で2人から暴力を受けた女子高校生。
背中や腰を蹴られ、顔を踏まれ、橋の上では100回以上「死ねや」「落ちろ」「早く死ね」と怒鳴りつけられたという。
共犯の女の証言では、女子高校生を2度欄干に座らせたという。
1度目は、26日の裁判で証拠として提出された動画に記録が残っている。
怖がって橋の上に降りてきた女子高校生を怒鳴りつけ再び欄干に座らせると、内田被告はこう指示した。
「欄干の外側に立って川の方を見て」
女子高校生は外側には立たず、川の方を見て欄干に座り直した。
しかし2人で二の腕と腰のあたりを押したことで、欄干の外側に立つ形になった。
「早く落ちろ」などと再び内田被告らに怒鳴られた女子高校生。
その時の様子を共犯の女はこう証言する。
Q それで女子高生はどうした?
「一回だけ大きく深呼吸して状態を前に傾けました」
Q その時内田被告は?
「その瞬間に女子高校生の肩甲骨のあたりを両手の手のひらで押しました」
Q そうしたらどうなった?
「私の前から一瞬で消えました」
■ 「梨瑚さん、いないです。やばくないですか」
共犯の女が下をのぞくと何かにつかまっていた女子高生が見えたという。
しかし、とっさに伸ばした手は届くことはなかったと共犯の女は振り返った。
「『キャー』という叫び声と『バン』という大きい音が聞こえました。『バン』という音がものすごい音だったということは覚えています。」
「梨瑚さん、いないです。やばくないですか」という女の問いに内田被告は「一緒にいくよ」と答えたという。
そして2人は駐車場へと戻っていった。
■「被害者のことを今話せるのは私と梨瑚さんしかいません」
共犯の女は当初、警察からの事情聴取を受けても橋の上での出来事を話さなかったという。
その理由を検察から問われると、こう話した。
「ばれたら怖いと思ったから」
しかし、女子高校生の家族の調書、そして内田被告の調書を読んだことで考えが変わったという。
「梨瑚さんの調書はでたらめで全部作り話で最初から最後まで全部嘘です」
「被害者のことを今話せるのは私と梨瑚さんしかいません」
調書を見て記憶と違うと思ったか、という弁護士からの質問には「私の記憶というよりは、あの日の事実と全く違うということです」と語った。
予定通りの時刻で、閉廷した27日の裁判。
内田被告は“舎弟”だった女の話をどう感じたのか――
28日には事件当時、内田被告とビデオ通話していたとされる少年が証人として出廷し、29日には内田被告の被告人質問が行われる予定だ。