新しい防災気象情報の運用がいよいよスタートした。警報や注意報の名称に「レベル」の数字が加わり、災害の危険度が一目でわかるようになった。さらに、大きな災害をもたらす線状降水帯の「直前予測」も新たにスタート。ただ気象予報士は「情報だけでは十分ではない」と強調する。大切なのは、新しい情報と自分自身の"避難スイッチ"を組み合わせることだ。

レベル4・紫で避難完了を

今回の新しい防災気象情報の大きな変更点は2つ。
1つ目は、警報や注意報の名称に「レベル」の数字が追加されること。河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮の4つの災害が、レベルごとに次のように整理される

レベル5:特別警報
レベル4:危険警報(新設)
レベル3:警報
レベル2:注意報
レベル1:早期注意情報

新しい防災気象情報
新しい防災気象情報
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注目したいのが、特別警報(レベル5)と警報(レベル3)の間に新たに設けられた「危険警報(レベル4)」。黒・紫・橙・黄と色で段階が分かれており、今どのレベルにあるかを数字と色で直感的に判断できるようになった。

特に重要なのは「レベル4までに必ず避難する」という点。レベル5(特別警報)が発表された時点ではすでに命に危険が及ぶ状況であるため、それより前の段階での行動が求められる。

線状降水帯の「直前予測」も新たにスタート

2つ目の変更点は、大きな災害をもたらす線状降水帯の「直前予測」が始まった事。線状降水帯の発生が見込まれる地域に対して、2〜3時間前を目標に予測が発表される。

線状降水帯の直前予測も運用開始
線状降水帯の直前予測も運用開始

文章の情報だけでなく、マップでも視覚的に確認できるようになっており、気象庁のホームページで見ることができる。

たとえば「福井県嶺北に今後3時間以内に線状降水帯発生」のような形で、より具体的な地域情報として届けられます。

専門家が訴える"避難スイッチ"の重要性

新しい防災気象情報は、命を守るための大きな一歩だ。しかし、福井高専の辻子裕二教授はこう指摘する。
「こうした情報が手元に届く前に被害にあってしまうという可能性もある」

福井高専の辻子裕二教授
福井高専の辻子裕二教授

そこで重要になるのが「避難スイッチ」という考え方。辻子教授は次のように説明する。
「これが起こったら、あるいは近所でこんな情報が流れたら避難しよう、ということをあらかじめ決めておいて、それが発生したときに“避難の決意”をして行動を取るという、“避難スイッチ”を決めてもらいたい」

例えば「○○川の水位がここに達したら避難する」というように、身近な場所の変化を目安にして迅速な避難につなげる取り組みが“避難スイッチ”だ。

避難スイッチを決める2つのポイント 「過去の経験」と「周囲の環境」

避難スイッチを決める際のポイントは、「過去の経験」と「周囲の環境」の2つ。専門家は「過去にそれぞれの地域で災害に近い状態まで達した経験があれば記録として残し、避難スイッチにつなげてもらいたい」と話す。

例えば、過去の大雨で水路の水が急増した経験は、地域や家族で共有しておくことが大切だ。
周囲の環境については、ハザードマップで確認するだけでなく、実際に危険な場所を歩いて見て、災害をイメージすることが重要。「周囲の環境を知る上では街歩きというのは非常に大事」と辻子教授は強調する。

防災情報が出るのを待っているだけでは、手遅れになるケースもある。実際に避難するのは私たち一人一人。新しい気象情報を生かすということに加え、地域や家族で「自分たちの避難スイッチ」を見つけておくことが大切だ。

福井テレビ
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