岩手県大槌町の大規模な山林火災から5月22日で1カ月ですが、岩手県内ではこの間にも各地で山林を焼く火事が発生しています。
専門家は、三陸沿岸では少なくとも梅雨入りするまで山林火災への注意が必要と呼びかけています。
山林火災を専門とする千葉大学の峠嘉哉准教授は、大槌町には山林火災発生の2日後から5月1日まで滞在しました。
今回の火災で焼けた面積は2025年の大船渡市に比べると約半分の規模となりましたが、発生6日目から降った雨がなければ、もっと拡大したおそれもあったと指摘、今後も乾燥が続く間は注意が必要と訴えます。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「雨が降るタイミングはかなり大きかった。もしも雨が降らないっていうのが続いたら、大船渡市山林火災を超えるような大きさになっていてもおかしくなかった。最低でも梅雨が来るまでは、林野火災が起こりやすい条件にあると考えて、備えることが必要」
山林火災には種類があり、落ち葉や下草が燃える現象は「地表火」と呼ばれます。
一方、枝や葉など木の全体が燃える現象は「樹冠火」と呼ばれ、この樹冠火が起きると延焼が広がりやすくなります。
今回の山林火災でも樹冠火が発生したとみられることが林野庁の調査で確認されています。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「去年の大船渡市の山林火災と同様に、今回の大槌町の火災は非常に延焼速度が速い。他の三陸で起こってきた山林火災と同様に樹冠火が起こったことは見えてきている。木の上は風が強く飛び火も起こりやすくなり、一気に延焼速度が速くなる。」
今回の山林火災は空気が乾燥していた4月22日午後2時ごろに小鎚地区で発生した後、午後4時半ごろ、約10km離れた吉里吉里地区周辺でも発生しました。
峠准教授はまだ鎮火していないため詳しい現地調査はできていないとしつつも、次のような見解を示します。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「同じ日にいくつかの林野火災が多発する事例は過去にもあって、昨年の大船渡市山林火災も2月というタイミングで、近隣の陸前高田も含めると大きい山林火災は3件起こっている。個々には別々の理由で失火、出火していたとしても火災が起こりやすい条件では、こういうが起こり得る。火の取り扱いには注意が必要と改めて示している」
また峠准教授は、具体的な影響の度合いを見極めることは難しいとしながらも、山林に被害があった地域では土砂災害への注意が必要と呼びかけます。
千葉大学 峠嘉哉准教授
「これから二次災害(土砂災害)の懸念がある部分もあると思う。元々ちょっと危険だった所が、より危険になるような変化と考えているので、これから梅雨に迎えるに従って、お住まいの場所がどういった場所かハザードマップなどで確認してもらうことが必要」
峠准教授は「日本の太平洋側は山林火災が起こりやすい条件が続いている」として注意を呼びかけています。