京都府は22日、同志社国際高等学校の沖縄研修旅行における死亡事故について、これまでの調査結果と見解を発表しました。
それによると、2023年から辺野古での乗船が実施されていたものの、一度も下見は行われず、どのような船に乗るのか、生徒や保護者に説明はなかったということです。
また引率の教員が1人は乗船する予定だったものの、体調不良と乗り物酔いする体質であることを理由に見送っていたことがわかりました。
府は学校の安全管理について「著しく適切さを欠いた」として、是正を求めています。
■事故の詳細と調査結果は…
ことし3月16日、修学旅行中の同志社国際高校の生徒たちを乗せた船2隻が転覆し、当時高校2年の武石知華さん(当時17歳)さんと、牧師で船長の金井創さん(当時71歳)が死亡しました。
事故は研修旅行3日目、生徒37名が参加予定だった「辺野古をボートに乗り海から見るコース」で、ボート乗船体験中に発生しました。
■乗船について2023年から下見は一度も実施されず
京都府はきょう(22日)、府の同志社国際高校への調査結果と文部科学省が実施した現地調査に同席したことなどから把握した内容とそれに対する見解について発表しました。
それによると、ボート乗船について2023年から始まったものの、事前の下見は行われず、引率教員が同行していなかったことが確認されました。
ボート乗船については、コロナ禍後の2023年3月の研修旅行から、金井船長から提案を受ける形でボートの事前下見を行わずに開始されました。
そして2024年、去年(2025年)、ことし(2026年)と実施されましたが、いずれも下見は実施されていませんでした。
これについて学校側は「牧師が船長を務めている船であれば安全であるという過信があり、旅行会社を通じた手配で安全確保等の万全の体制をとるという考えに至らなかった」と説明しているということです。
■どのような船に乗るのか生徒や保護者への事前説明はされておらず
またどのような船に乗るのかについて、生徒や保護者への事前説明はされておらず、乗船については、学校が牧師に対して直接依頼をしているものの、契約書は締結していなませんでした。
金井船長に対して依頼文を送付しただけで、その上で謝礼を支払っていたということです。
これらについて学校側は「事前下見が行われていなかったことについて、 安全管理意識が欠如していた。生徒や保護者に対し十分な説明ができていなかったとの指摘は重く受け止めている」と説明しているということです。
■引率の教員「体調不良と乗り物酔いする体質によって乗船見送り」
また事故の際、ボートに引率の教員が乗船していなかったことについては、もともとは1人が乗船する予定だったものの、体調不良と乗り物酔いする体質によって見送っていたことがわかりました。
学校側は「引率教員が同行していなかったことは、重大な判断ミスであり、そのような判断を現場のみで実施できる体制を容認していたことや、バックアップ体制が不十分であったことについて、 学校として落ち度があった」と説明しているということです。
■安全管理「認識甘い」「二度と悲惨な事態を招くことのないよう是正する必要」指摘
こうしたことを把握したうえで京都府は、学校保健安全法第29条により各学校で「危機管理マニュアル」の作成が義務付けられており、文部科学省の「学校の危機管理マニュアル作成の手引」では「校外での活動を行う際は、事前に現地の状況や気象状況などを十分に把握する必要がある」と示されていると指摘しました。
府は「同校における安全管理に対する認識は甘く、安全対策等についても十分な検討及び必要な対策を実施していなかった」とし、「研修旅行に参加した生徒の尊い命が失われるという極めて重大な事態に至ったことも踏まえれば、安全確保は著しく適切さを欠いたものであった」と厳しく指摘しています。
府は二度と悲惨な事態を招くことのないよう是正する必要があるとしています。