1200年以上受け継がれる「消えずの火」を守ってきた宮島の霊火堂が、激しい炎に包まれた。「消えずの火」は別の場所にも保管されていたため残ったものの、多くの観光客が訪れる“宮島の聖地”が焼失した。
真っ赤な炎に包まれた霊火堂
5月20日午前8時半ごろ、広島・廿日市市宮島町の弥山山頂付近にある霊火堂が燃えていると、大聖院の職員から通報があった。
視聴者が撮影した映像には、木造の建物全体が炎に包まれ、屋根の上まで激しく火が噴き上がる様子が映っていた。
火災を目撃した人は、「早朝に弥山に登って展望台で休んでいた。下から煙が上がっているのを見て、最初は護摩行をしているのかと思った」と話している。
火は通報から約2時間後にほぼ消し止められ、けが人はいなかったが、霊火堂は全焼した。
「消えずの火」は守られた
霊火堂は、平安時代に弘法大師・空海が開いたとされる。
空海が修行した際に残ったと伝わる「消えずの火」は1200年以上燃え続け、その火で沸かした水は“万病に効く”とされることから、長寿を願う多くの参拝者が訪れてきた。
この火は、広島市の平和公園にある「平和の灯」の種火にもなっている。
大聖院によると、「消えずの火」は別の場所に保管されているものがあり、残っているという。
ロープウエー運休 登山道も入山禁止に
世界遺産・宮島にはこの日も国内外から多くの観光客が訪れていた。
全焼した霊火堂は、宮島ロープウエーを上った先の、弥山展望台近くにある。火災を受けて、宮島ロープウエーは運休。登山道の入り口には「火事のため入山禁止」と書かれた案内が掲示され、立ち入りが制限された。ロープウエーの関係者は、「登山道もだめだし、ロープウエー自体もストップしていますので…申し訳ないです」と、観光客たちに説明していた。
群馬県から訪れた観光客は、「ロープウエーで上がろうと話をして必死で歩いてきました。楽しみにしていたんですけど…」と肩を落とした。
バングラデシュからの観光客も、「ここまで来て…残念です。火事だからしかたないですね」と話していた。
2005年5月にも全焼し、翌年再建
霊火堂は過去にも火災で何度か焼失している。
近年では2005年5月に全焼し、翌2006年7月に再建された。当時は、燃やしていた枯れ木の火が建物に引火したとみられている。
それから約20年。再建された霊火堂は、再び火災に見舞われた。警察と消防は、出火原因をくわしく調べる方針だ。
(テレビ新広島)
