家庭内感染急増中…危惧される「第3波」

11月6日、東京で新たに242人の感染が確認された新型コロナウイルス。
11月5日には全国の新規感染者数が1048人となり、8月以来となる1000人超えとなった。

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そんな中、気になるのが「クラスター」。
東京ではこの一週間、病院や高齢者施設、大学の寮、スポーツジムなどでクラスターが発生している。

また、家庭内感染についても、10月20日~26日は36.0%だったものが、10月27日~11月2日では41.5%となるなど、急増している。

危惧される“第3波”入りだが、昭和大学の二木芳人客員教授によると、「第3波は始まっていないものの、今が瀬戸際」であるという。


石本沙織アナウンサー:
二木先生によりますと、8月の初めの第2波が始まった頃の数字を見てみますと、新規感染者が東京で400人、全国で1500人だったことから、この状況になれば第3波に入ったということを言っていいのではないか、というふうに言っています。その上で「東京はこのままの感染対策だと3週間で北海道と同じ状況になる可能性がある」と警告しているのです。

北海道で警戒レベルがステージ2に上がったのが10月27日。そこから3週間後の11月17日周辺に、東京でも感染者が急増するのではないか、という見方がある。

加藤綾子キャスター:
以前も、北海道で感染者が増えてきたら、その3週間後に東京でも感染者数が増えた、というような流れがあったので、今回もそれと同じようになるんじゃないかという不安が上がってきているわけですけれども…

コメンテーター・明治大学教授 齋藤孝氏:
これから寒くなりますし、年末に向かって人の動きも多くなるので心配です。ただ、第3波と言ってしまうと、今GoToで盛り上げようとしているところに「第3波だからやめておこう」とアクセルとブレーキを両方踏むことになりますよね。ですから、第3波と言うだけの明確な基準、例えば、「新たな要因が加わった」とか基準的に「何人以上が何日間続いたのか」というのをみんなが共有しないと、第3波という言葉によって経済が冷えていくという心配もあります。

加藤綾子キャスター:
私たちもどう動いていいのか、判断の目安材料というものをしっかりと示してほしいなとは思います。

若者と高齢者の感染者数にある傾向が…

米・疾病対策センターの研究チームによると、欧米や日本では高齢者の感染が増える1、2週間前に「若者の感染者が増加する」傾向があるということが判明したという。

実際に日本の場合を見て見ると、第2波が始まった頃の8月1日時点では20代の感染者が216人。
その2週間後の8月14日には70代以上の感染者が31人となっており、2週間前の数字から見ると約2倍に増えているというデータがある。

石本沙織アナウンサー:
研究チームは若者から高齢者への感染経路の特定、そして効果的な対策のために年齢別にさらなる調査が必要だと指摘しています。

加藤綾子キャスター:
若者の感染者が増えて1週間から2週間後に高齢者に移っていく、増加していく傾向があるということですけど、今は経済を優先して活動しているわけですから、20代の方とか若い方が悪いってわけではないのですけれども、また改めて気を引き締めないといけない時期が近づいているのかなという感じがしますよね。

コメンテーター・明治大学教授 齋藤孝氏:
やはり20代の方はよく動きますよね。でもそれを規制するというのは、難しいですね。大学生などはいまだにオンラインで授業しているぐらいですから、ものすごく我慢している面もある。その中でご高齢の方は若い人と接触をしないように、できるだけ自衛していただきたいと思います。

石本沙織アナウンサー:
二木先生は「医療体制について現在は十分に整っているように見えるが、第3波が始まれば途端に危険な状況に陥る」と話し、危機感を募らせています。

(「イット!」11月6日放送分より)