各地で課税ミス

固定資産税をめぐっては、多くの自治体で課税ミスが相次いでいる。

埼玉県新座市では、2014年に60代の夫婦が税金を払えず、自宅を公売にかけられた。その後、物件を落札した不動産業者からの指摘で、27年間、税金を多く課税していたミスが発覚した。

これを受けて市が調査すると、同様のミスがおよそ3000件判明し、取り過ぎた税金など8億円あまりを還付する事態になった。

総務省の調査によると、2024年度には94.2%の市町村で課税ミスなど何らかの税額の修正があった。

なぜこうしたことが起きるのか。

取材班は全国20の政令指定都市に、行政側が抱える課題についてアンケート調査を行った。

税額修正の件数についてたずねたところ、ほとんどの自治体が概ね年に数百件程度と回答。中には、年1000件以上と答えた自治体もあった。

修正が生じた理由としては、「すでになくなった家屋の把握漏れ」や、「住宅用地(特例)の適用誤り」といったものがあった。

専門知識を持つ人材の育成を課題に挙げる自治体もあり、「3年程度の人事異動サイクルの中で、複雑な制度を理解し、業務にあたらなければならない」といった事情もみられた。

物件購入後のトラブルも

固定資産税に関する案件を多く扱ってきた弁護士は、自治体の人手の問題を指摘する。

三木義一弁護士:
かなり劣化してる建物なんかは個別に見なきゃいけないので、自治体の職員の人がやりたがらない。人手が足りないから、高い評価のままで済んでしまっているってことも多い。(再評価を)やればやるほど税収は減ってしまう。

固定資産税のトラブルは、古い建物を購入した際にも起きている。

広島県北広島町の山間にある、築47年の元保養所。一見、リフォームされていてキレイに見えるが、壁が全体的に剥がれて、下のほうはビリビリになっており、よく見ると荒れた部分が目立つ。

地元で木材会社を営む佐藤(仮名)さんは4年前、物件を所有していた北広島町から31万5千円で買い取った。

「安すぎる」と感じた佐藤さんだったが、喜びもつかの間・・・。

佐藤さん:
水が出ないっていうのは、全然予想もしなかった。それは約束が違うじゃない。

実はこの建物、2012年に町の所有になったものの、10年間使われていなかった。佐藤さんは「水道が使える」と説明されて購入したが、実際は蛇口から水は出ず、給水管からシャワーのように水が漏れ出していたという。

さらに、建物に入った亀裂から雨漏りし、耐久性も危ぶまれる状態でした。

これは、この物件の「固定資産税納税通知書」で、建物の評価額はおよそ3900万円。土地建物あわせた1年間の固定資産税額は61万円だった。

31万円あまりで買った物件に、倍近い、年間61万円もの固定資産税を請求されたのだ。

佐藤さん:
購入金額もおかしいし、税額もおかしいし、評価もなんかおかしいよね。数字が全然連動しないというか、何の繋がりもない。

佐藤さんは、物件の状況が事前の説明と著しく異なり、価値が適切に評価されていないなどとして2025年に裁判を起こした。町は「評価は適正」と主張している。