「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が高齢者などを闇バイトの実行役として使い捨てにし、e‑Taxの仕組みを悪用して全国の税務署から多額の国税還付金をだまし取っていたことが、FNNの取材で分かった。制度の「性善説」を逆手に取った巧妙な手口と、犯罪と気付かないまま巻き込まれていく人々の実態に迫った。

相次ぐ「e-Tax詐欺」

2024年11月、捜査員に囲まれ高知の空港に降り立った、横浜市の自称IT関連業、盛海斗被告(当時27)。Xには、盛被告の犯罪を告発する投稿があった。

「ある人物が違法な税金還付を行っています。私の手元にはその証拠があります」

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取材班が投稿者に連絡を取ると、「正直に言うと、私は今日本の犯罪に関わっています」と返信があった。自らも犯罪に関わっていると言う人物が送ってきたのは、トクリュウによる違法な税金還付を示すデータだった。

その手口とは、「e‑Tax詐欺」だ。

まず、トクリュウはSNSで副業と偽り、全国から闇バイトを募集。その闇バイトに、e‑TaxのIDやネット口座を作らせ、情報をトクリュウに送らせる。

トクリュウは、その情報を使ってe-Taxで確定申告し、赤字が出たと偽って、税務署から闇バイトの口座に振り込まれた還付金をトクリュウに送金させるという構図だ。

高知県警は2025年4月、トクリュウの中心メンバーである盛被告とともに、全国の税務署から還付金をだましとった疑いで、容疑者を次々に逮捕した。

この事件での逮捕者は29人、被害総額は全国の税務署でおよそ3000万円に上った。

取材班が情報提供者から入手したデータには、闇バイトで集められた実行犯とみられる28人の名前と4人の運転免許証の写真も含まれていた。

このうちの2人を逮捕前に訪ねて、話を聞くことができた。