例えば、糖質(炭水化物)。糖質の大半は植物由来の栄養素ですが、猫は食事中の約40%程度はエネルギー源として利用できることがわかっています。

これは雑食動物であるヒトとの共存関係が長かったためかもしれません。古い時代から人の集落周辺で人の食事のおこぼれにあずかることで、多少なりとも植物由来の栄養素に耐性ができたのかもしれません。猫よりも人との共存関係が短いフェレットは、猫よりも厳格な肉食動物ですので、この説の裏付けになりそうです。

猫草を食べる理由についての6つの説

ところが、肉食であるはずの猫が猫草を貪り食う姿が良く目撃されます。特にイネ科植物を好んで食べているようです。この行動は、「イエネコ」にかぎらず、ネコ科動物全体で確認できます。つまり、何らかの意味があって食べている可能性が高そうです。

(イメージ)
(イメージ)

しかし、猫が猫草を食べる理由はよくわかっていません。いまのところ、下記6つの説が考えられています。

(1) 毛玉の排出を促すための嘔吐の誘発
(2)便秘の解消
(3) 微量栄養素の摂取
(4)消化管内の寄生虫の駆除
(5) 体調不良への反応
(6)好物としての食感や味を楽しむ

もっとも有名な仮説は「毛玉の排泄」でしょうか。しかし、どれも明確に証明されていないのです。

実は、猫草は「旨い」

これまでの猫草研究では猫草の役割にばかり注目されていましたが、猫草の味に注目した研究が発表されました。実は著者の研究グループです。

猫は草食動物よりも苦味を約400倍も感じやすい動物です。ですので、ピーマンでもかじろうものなら400倍もの苦味パンチを食らうようなもの。そのため、猫は苦味が大嫌い。そんな猫が猫草を貪り食っている姿を見て思いつきました。猫草は苦味が少ないに違いない。こんな気づきから、研究がスタートしました。