静岡県の鈴木知事は7日、県議会の全員協議会でリニア新幹線の静岡工区について、「リニア中央新幹線工事に係る自然環境保全協定を事業者であるJR東海と締結することといたします」と述べ、工事を始めることを認めた。着工に必要なJR東海との協定を18日に結ぶ方針だ。川勝前知事の発言からおよそ9年。リニア新幹線の静岡県内でのトンネル掘削工事が始まることになる。
川勝前知事「JR東海は誠意がない」突然の厳しい非難
リニア中央新幹線は品川と名古屋を最速40分、品川と大阪を最速67分で結ぶ次世代の高速交通だ。JR東海が品川-名古屋間の2027年の開業を目指していた2017年10月、当時の静岡県の川勝知事が会見で次のように述べ、JR東海の対応を突然厳しく非難した。「しっかりした説明がないままルートが設定され、静岡県にとっては全くメリットがない」「水問題に関しても具体的な対応を示すこともなく、静岡県に対して誠意を示すという姿勢がないことに心から憤っている」
当時のJR東海の社長も「大変驚き」
リニア新幹線は南アルプスを貫く工事で、大井川に流れる水が減少する影響があることから当時、流域の市町とJR東海、それに県は流量減少への対策について協定を結ぶ協議を進めていた。川勝前知事の発言はその矢先だった。JR東海の当時の社長は驚きを隠せず「大変驚きで残念。静岡県の真意を確認したい」と述べていた。
鈴木知事就任 着工へ加速
あれからおよそ9年。沿線の都県で着工が認められていないのは静岡工区だけとなっていた。これまで静岡県とJR東海、それに大井川の流域市町は、大井川の水問題をはじめ、環境への影響などについて対話を重ねてきた。着工を認めてこなかった川勝前知事に対し、鈴木知事の就任後、着工に向けた動きが加速。2026年3月に、静岡県がJR東海に解決を求めた3分野28項目がすべて了承された。
着工容認 トンネル工事開始へ
そして、流域市町トップとの意見交換や住民説明会などを経て、鈴木知事は7日、静岡工区の着工の前提となる県自然環境保全条例に基づく協定を7月18日にJR東海と締結すると説明し着工容認を正式に表明した。鈴木知事は「地元住民の理解も着実に進んだ」と容認の理由を説明し、着工後もJR東海に適切な対応を求める考えだ。いよいよ年内にも工事が始まる見通しだ。

