壁にずらりと貼り付けられたメニューを見て、1時間くらいかかりそうと悩む久住さんは「とりえずビールを頼んで、そこからが長いよ。メニュー決めるまでが」と笑う。

壁にはメニューがずらり!
壁にはメニューがずらり!

ここでの注文はカウンターまで出向く方式。まずは、ビール、そら豆と庭で自生するふきを使ったきんぴらを注文。

ふきのきんぴらを一口食べた久住さんは「家の味。子供の頃苦手だけどだんだん好きになる味」と味わう。ふたたびメニューを眺めた久住さんは「煮込み」と「煮込み豆腐」が同じ値段であることが気になるようで、「どういう配分なのか考えるのが楽しい」と想像を膨らませる。

実はこのメニュー、植野さんが以前教えてもらった人気メニューの「煮込み」。その煮込みに豆腐を入れたのが「煮込み豆腐」。豆腐を入れた分、「もつの量が少なくなっているに違いない」という理由から、同じ値段にしているという。このアイデアは初代店主・秀男さん。

ちなみに、メニューの「とんかつ」が「とん勝」と書かれているのも、勝負事が好きだった秀男さんによるものだという。

続けて、「コロッケもいいんだよな…」と注文。久住さんは「コロッケに弱いかもしれない。肉屋で1個買って歩きながらというのもよくやる」と話す。

自家製のコロッケを待つ間に、久住さんが漫画で描く独特の世界観について質問。

読者として植野さんが大いに感銘を受けたのが『かっこいいスキヤキ』。デビュー作となった「夜行」という作品は、夜行列車の中で男が幕の内弁当を食べる“だけ”のストーリー。食べる順番やご飯とおかずのペース配分など、久住ワールド全開の独自の目線で食を語る作品だ。