中国・貴州省貴陽市で、不動産大手の恒大グループが開発した巨大なテーマパークが未完成のまま放置されている。周辺マンションの価格は約60%下落。中国不動産不況の影響を受け、海南省の巨大人工島の施設など、グループの15以上の施設が廃墟と化している。
未開業の“夢の国”で荒廃進む…周辺住宅も暴落
広大な敷地に広がっているのは、巨大な色のないテーマパークだ。

夢の国になるはずの場所は荒れ果て、廃墟と化していた。
今、中国で何が起きているのか。
取材班が向かったのは、中国南部の貴州省貴陽市。

“夢の国”の入り口にあったのは、お城の形をした入場ゲート。
私たちの前に現れたのは巨大テーマパークだ。
取材班:
建物の色は比較的きれいなんですが、雑草が生い茂っていて、まさしく廃墟のような状況です。誰かが入ってきて書いたのでしょうか。夢の国には似つかわしくない落書きが壁に書かれています。

絵本の世界から飛び出したようなメルヘンチックな街並みは無残な姿となり、辺りは不気味な雰囲気が漂っていた。
建物の内部を見てみると、コンクリートがむき出しとなり、床にはがれきやガラスが散乱。さらに服や布団が捨てられていた。
取材班:
マンホールがふたのないまま放置されていて危険な状態です。
このテーマパークは一度もオープンすることなく、未完成のままで放置されていた。

崩れ落ちた階段。何者かが侵入したのか、バーベキューをした跡が残されていた。
東京ディズニーランドの1.5倍以上という広大な敷地に広がるテーマパークだ。

世界最大級の不動産会社・恒大グループが2017年、年間2000万人の来場者を見込み、テーマパークとマンションなどが一体化した巨大複合施設を開発した。
しかし、中国の不動産バブルが崩壊。経営難に陥った恒大グループは2021年、“夢の国”の工事の中断を迫られた。

廃墟化したテーマパークのすぐそばに完成した高層マンションの価格は暴落。
マンションの住民:
中国でも指折りの観光都市になると説明されました。誰かが開発を立て直し、整備してくれることを願います。
計画途中で工事が中止となったため、完成していないマンションもあるという。
マンションの住民:
私たちはまだ運がよかった。ちゃんと家を受け取れましたから…。多くの人がお金を払ったのに家を受け取れませんでした。

地元の不動産業者によると、マンション価格は約60%値下がりしたという。
荒れ果てたテーマパークの敷地内からは、明るい音楽が流れるところもあった。
細々と営業をしていた小さな遊園地。この時の客は親子2人だけで、貸し切り状態となっていた。

恒大グループが手掛けていたテーマパークは少なくとも全国15カ所で廃墟となっている。
価格暴落のマンションには東北地方出身の人たちが移住
続いて取材班が向かったのは、中国南部の海南省。ここには恒大グループ最大の“負の遺産”が残されていた。

海花島と名付けられた、東京ディズニーランド15個分の巨大な人工島を造り、約3.8兆円を投資して、中国版ドバイを目指す計画だった。
取材班:
ここも恒大が作ったテーマパークですが、一度もオープンすることなく入り口までしか入ることができません。
豪華なゲートは閉ざされたまま。人影はほとんどなく、中国版ドバイにはほど遠い現状だ。

島でひときわ目を引く建物は、未完成のまま残された国際会議センターだ。
中をのぞくと工事の途中で放置されたままで、机がひっくり返り、物が散乱していた。
価格が暴落した島のマンションには、どんな人が住んでいるのか。

取材班:
中国北部の名物料理が並んでいます。

格安の家賃に引かれ、寒さの厳しい東北地方出身の人たちが、憧れの南国暮らしのため移り住んだという。
東北地方から移住した住民:
親戚もみんなこちらにいます。
東北地方から移住した住民:
老後の生活のために来ています。

恒大グループの負債は2023年の時点で約50兆円まで膨れ上がり、会社はその後、上場廃止となった。
中国の不動産不況の出口は見えていない。
(「イット!」6月16日放送より)

