熊本県内の15~64歳までのいわゆる「生産年齢人口」の推移です。10年で10万人以上減少していて右肩下がりの状況で、熊本でも労働者の人手不足が深刻化しています。一方、県内の外国人労働者は右肩上がりで、去年10月時点で2万4000人を超え過去最多を更新しました。TKUライブニュースでは熊本で働く外国人にスポットを当ててお伝えします。
1回目は、益城町でベビーリーフの生産や販売を行う会社です。会社の加工場でリーダーを務めるベトナム出身の女性を取材しました。
【チャン・ティ・チャム・アインさん】
「おはようございます」
益城町で暮らすベトナム出身のチャン・ティ・チャム・アインさんです。8年前にふるさとを離れ、熊本で働いています。朝の出勤前、自宅で「お弁当」の準備です。この日は野菜をたっぷり詰めた卵焼きを作ります。
【アインさん】
「焦げてしまった」
(料理は得意?)
「あんまり・・・」
自宅アパートから約3キロの会社までは毎朝、バイクで通っています。
アインさんが働く『みっちゃん工房』です。この会社では約5ヘクタールの畑でベビーリーフを栽培。出荷・販売までを手がけています。
【アインさん】
「きょうも一日よろしくお願いします」
アインさんは加工場で収穫したベビーリーフの包装や梱包、品質管理などの業務を担当しています。
『みっちゃん工房』は、10年前に外国人技能実習生の受け入れを始めました。
【みっちゃん工房 光永 カオリ 社長】
「求人を出してもお金かけても全然、人が集まらない。本当に人手不足の状態だった。このままいくと会社が回らない。倒産するのではないかという危機感があった」
みっちゃん工房ではアインさんを含め、現在6人の外国人労働者を雇用しています。光永 社長は初めて外国人労働者を受け入れたときは「言葉の壁にぶつかった」といいます。
【光永 カオリ 社長】
「日本語が通じないことが非常に苦労した。仕事が終わって日本語を毎日教えていた。教科書とそれだけじゃわからないので、自分でスケッチブックに絵を書いてそれを基に一緒に(勉強したり)カラオケに行っていたので、〈日本の歌を覚えよう〉とその当時、流行っていた歌をみんなで歌っていた」
受け入れを始めて約1カ月後、熊本地震が発生。会社の建物には大きな被害はなかったものの技能実習生たちのアパートは半壊しました。
【光永 カオリ 社長】
「みんなで1カ月間、工場に寝泊まりして一緒に過ごした。1カ月寝泊まりすると自然と言葉を覚えてきた」
アインさんは熊本地震後の2018年、20歳のときに技能実習生として熊本にきました。当時は、日本の生活に慣れずにベトナムに帰ろうと思ったこともあったといいます。
【アインさん】
「最初は、やっぱり違う国なのでいろいろ違って文化とか言葉も違うのでそのときは大変だった。ごみ分別の本の見方も分からなかった」
そんな中、会社のスタッフなどに支えられながら、熊本の生活、仕事にも慣れ、日本語も上達しました。3年前からは加工場のリーダーを務めていて他の日本人や外国人スタッフをまとめる存在となりました。
光永 社長もアインさんに信頼を寄せています。
【光永 カオリ 社長】
「(アインさんは)本当にまじめ。彼女をリーダーにしたのは品質管理に優れていて負けず嫌いで本当に一生懸命に仕事をしているから。他の日本人スタッフからもすごく信頼されている」
昼休み。アインさんも昼食の時間です。同僚と一緒に手作りの「お弁当」を楽しみます。
【アインさん】
「おいしい。自分で作ったのでおいしい」
アインさんは熊本での仕事のやりがいを感じています。
【アインさん】
「(熊本は)静かで自然も豊かなところで、自分に合っていると思う。周りの人を手伝うことでいつもニコニコしてくれるのでそれがやりがい。まだリーダーに慣れていないのでもっと仕事を覚えていこうと思っています」
去年8月には事実上永住可能な『特定技能2号』を取得したアインさん。頼られる加工のリーダーとしてこれからも現場を支えます。
受け入れ側である、みっちゃん工房の光永 社長は町などの行政側に対して、「日本人と外国人との交流会を積極的に開いてもらい、ゴミ出しのルールなど外国人の困りごとを話し合う場を設けてもらいたい」と話していました。