鹿児島のシンボル桜島。
雄大な姿に魅了される一方、最近も活発な噴火で火山灰に悩まされる方も多いと思います。
厄介者のイメージの火山灰ですが、それをアートに変えて鹿児島の魅力として発信するアーティストがいます。
独自の技法で生み出される火山灰アートの世界を取材しました。
火山灰アーティスト・植村恭子さん
「親指と人差し指をすりあわせて灰を落としてキャンバスの上に線を描く」
さらさらと指からこぼれ落ちる小さな粒。
桜島の火山灰です。
キャンバスの上に水で薄めた接着剤をぬり、火山灰で絵を描き進めると…
ものの数分で桜島が完成しました。
鹿児島市のアート・ギャラリー白樺で、4月24日から開かれている個展「Hiway-ともに行きましょう」。
鹿児島市出身の火山灰アーティスト植村恭子さんの活動10周年を記念したもので、75点の作品が展示されています。
中西沙綾記者
「横2メートルほどの大きな桜島の作品ですが、使われている火山灰はこのケース1杯ほど。少しずつ灰の量を調整しながら濃淡を表現しています」
指や爪で灰を少しずつ広げて、色の濃淡を表現する植村さん独自の技法で大胆かつ繊細に作品がつくられています。
もともと桜島ビジターセンターの職員として働いていた植村さん。
10年前の2016年、熊本地震の支援を呼びかけようと、火山灰を使って地面に絵を描いたのが活動のきっかけでした。
火山灰アーティスト・植村恭子さん
「活動をする前も(火山灰は)身近にあったが、自分で描き始めて改めて噴火の威力や気候のタイミングであったり、そういうので全然違う。自然のものなんだなというのを改めて感じながら使っている」
最近も活発な火山活動で県民を悩ませる桜島の火山灰ですが、見方を変えると可能性は無限大。
ここ数年は水彩絵の具を取り入れた色彩豊かな作品も手がけたり、2026年の新作では桜島の力強さをこれまで以上に感じられるようにと、火山灰を大胆に使った立体的な作品に仕上げています。
訪れた人
「感動。生かされて桜島の灰も喜んでいると思う」
火山灰アーティスト・植村恭子さん
「厄介だなというところにだけ固執したり縛られるのではなく、見方を変えるといいことやポジティブに考えられることはないかと作品を見て感じていただけたら」
作品展は鹿児島市のアート・ギャラリー白樺で5月5日まで開かれています。
植村さんは個展の期間中、ギャラリーに滞在していて、作品作りの様子を見ることもできるということです。