高岡市の出町譲市長が「高岡駅南側の活断層がある土地を前提に市役所の議論が進められていた」と発言したことをきっかけに、市議会の最大会派が根拠を求めて情報公開請求を行い、市の内部資料が公開された。しかし資料を受け取った議会側は「経緯が不明」として、さらなる追加請求に踏み切る方針だ。

「活断層があることは重要特記事項にあった」 市長が問題提起
今月20日、出町市長は定例会見で次のように述べた。

「取得する際、活断層があることは重要特記事項にあった。新しい市役所をどうするかあそこを前提に議論が進められていたことは確か」

「あそこ」とは、昨年3月に高岡市の土地開発公社がおよそ8億6000万円で取得した高岡駅南側の土地だ。用途を定めないまま取得されたこの土地に、市は活断層の存在を知りながら市役所を建設しようとしていた―という見解を、昨年7月に市長に就任した出町氏が明らかにしたかたちである。
最大会派・同志会が翌日に情報公開請求

この発言に真っ先に反応したのが、高岡市議会の最大会派「同志会」だ。これまで市側から受けてきた説明と異なるとして、翌21日には市長発言の根拠を問う情報公開請求を行った。



請求に基づいて公開された内部資料には、市役所整備の概算費用を試算したA・B・C、3つの案が記されていた。このうちA案とC案の建設地が、問題の高岡駅南側の土地だった。
出町市長は28日の定例会見で、就任後に市の幹部からA案が最有力と説明を受けたと明かした。
「A、B、C案があるがA案が最有力と聞いた。これは(高岡駅南側の土地が)前提になっている。私が(市長選挙で)当選しなかったらこの計画がそのまま進んでいた。」
議会側の認識とは食い違い 「具体的な計画ではない」
一方、同志会は異なる認識を示した。当時、市側から説明を受けていたのは、公開された資料のB案——高岡駅周辺の既存施設も活用した分庁舎方式——が最有力だったというものだ。

同志会の高岡宏和政調会長は次のように述べた。
「開示された資料は、具体的な計画を示しているものではなく、ロードマップを踏まえた財政的な試算」
つまり、内部資料が存在することは認めつつも、それが「A案を前提に計画が進められていた証拠」とは言い切れないとの立場である。市長と議会の間で、同じ資料に対する解釈が真っ向から食い違う構図となっている。
今後は追加の情報公開請求へ

今回の開示資料だけでは、どの案が実際に優先して議論されていたのかは判然としない。同志会は市側の議論の経過が分かる資料を追加で情報公開請求する方針を固めており、今後も経緯の解明を求めていく姿勢だ。
8億6000万円という多額の公費が投じられた土地の取得経緯と、市役所整備をめぐる意思決定プロセス。そして活断層の存在。高岡市民にとって身近なインフラの将来像が問われる問題だけに、市長と市議会の間でどのような事実確認が行われるか、引き続き注目が集まる。
(富山テレビ放送)
