勾配はそこそこ急なところもありますが、道は明確で迷うことはほとんどありません。

松ノ門の櫓台
松ノ門の櫓台

松ノ門そばにある櫓台は、自然の断崖上に聳えています。自然地形も活かしつつ、その上に石垣を積みましさらに高低差を稼いでいるのが実にみごと。

堀底道の片側
堀底道の片側

門跡を抜けると、両サイドを高石垣に挟まれた堀底道。まるで両側から石垣が覆い被さってくるかのよう。

本丸から約20分ほど下ったところが二の門。ここにも石垣は残っているのですが、もうひとつ注目すべきは「水堀」。

二の門脇にある水堀
二の門脇にある水堀

高取城の案内板などにはそう記されていますが、実際には水の手(籠城時の水源)としての役割の方が大きかったのでは、と思われます。山深い場所になぜこれだけの規模で?と思うほどの広大さには、石垣同様に息を呑みます。

城域自体はまだまだ先まで続いているのですが、めくるめく石垣群が続くのはこのあたりまで。ここまででも十分、「山城日本一の石垣」ぶりを堪能できるでしょう。

竹田城と高取城、タイプはまるで異なりますが、いずれ劣らぬ石垣が見事な名山城の両巨頭。そして、その二城いずれにも、豊臣兄弟の弟・秀長ゆかりの城というのも驚きです。どちらの城も、『豊臣兄弟!』の展開も想像しつつ訪れてみると、美しさとともに「戦う城」としての魅力にも気づけるはずです。

今泉慎一(いまいずみ・しんいち)
古城探訪家。編集プロダクション・風来堂代表。著書に『戦う山城50』(イースト・プレス)『おもしろ探訪 日本の城』(扶桑社)など。

今泉慎一
今泉慎一

古城探訪家。1975年、広島県生まれ。編集プロダクション・風来堂代表。旅と歴史とサブカルチャーが得意分野。企画、編集、ライターから撮影までよろず担当。
山城を中心に全国の城をひたすら歩き続け、急勾配にげんなりしたり、水の手を発見して感動したり。ヤブコギは苦手。これまでに攻略した城は900以上。
著書に『戦う山城50』(イースト・プレス)『おもしろ探訪 日本の城』(扶桑社文庫)、監修書に『『山城』の不思議と謎』『日本の名城データブック200』(以上、実業之日本社)。
『織田信長解体新書』(近江八幡観光物産協会)など、地域密着濃厚型のパンフレット制作を担当することもある。